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                           平成30年6月4日

                           税理士法人 アズール

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 行楽シーズンの5月も終わり、雨や湿度を感じると、いよいよもうすぐ梅雨の

到来か…と少し憂鬱な気持ちになりますが、ふと傘の合間から露に濡れる紫陽花

が見えました。「雨も悪くない」と思わせる鮮やかな彩りを見て、今年は紫陽花

の名所を訪ねてみようかと思いました。

 愛知県西尾市東幡豆町から形原温泉あじさいの里をつなぐ「三ヶ根山スカイラ

イン」を別名「あじさいライン」といい、6月から7月初旬には7万本の紫陽花

が咲くそうです。花を愛で季節の移り変わりを感じる心は、慌ただしい毎日の中

で大事にしたいものです。

                              川地 美希

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今月のINDEX

1.-名古屋市市民税減税が廃止され特異な減税開始-

2.-国際観光旅客税法-

3.FPの窓 -長期平準定期保険とは-

4.-スタッフの読んだ1冊-

眠れないほど面白い『古事記』  (三笠書房・由良弥生)

5.-セミナーのご案内-

 

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1.-名古屋市市民税減税が廃止され特異な減税開始-

                         代表社員 長谷川 敏也

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 名古屋市は、看板政策「市民税5%減税」のうち、法人市民税分を2019年度か

ら廃止すると発表しました。市が法人市民税の減税をやめるのは、国が法人実効

税率を段階的に引き下げているのが理由です。市が5%減税を始める前年の2011

年度は39.54%だったものが、2018年度は29.74%に下がったからとのこと。河

村市長は会見で「国が圧倒的に下げたので、企業には理解いただきたい」と話し

ています。

 

 ところで、法人税減税の廃止で生まれる財源は約34億円。単純に減税を止める

だけではなく、その半分を子ども支援などの重点政策に配分し、残りを新設する

「企業寄付促進特例税制」に割り当てることとなりました。

 またもや特異な減税措置が開始されましたので、企業経理マンは注意してくだ

さい。

 

 つまり、法人の市民税の5%減税については、法人の寄附の促進を図るため、平

3141日以後に終了する事業年度から組み替えることとし、2年間の時限措

置として、寄附金額に応じて法人の市民税を減免する企業寄附促進特例税制が創

設されました。

 この税制は20192020年度の2年間限りで、名古屋市に対する寄附金、愛知

県共同募金会または日本赤十字社愛知県支部に対する寄附金、名古屋市が条例で

指定している団体(NPOや社会福祉法人など)に対する寄附金で、年間5千円

以上寄付をした法人の市民税を減額するものです。減額幅は寄付額の69%と法人

の市民税額の2.5%に相当する額のいずれか小さい金額です。

 ただし、各事業年度に係る法人の市民税の確定申告期限までに、法人市民税の

申告書とは別に、「減免申請書」を提出することが要件になっていますのでご注

意ください。

 

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2.-国際観光旅客税法-

                               有村 透

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 観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確

保するために、国税として平成4年の地価税以来の新税である「国際観光旅客税」

が創設されました。平成3117日以後の出国に適用されます。

 国際観光旅客税は、原則として、船舶又は航空会社(特別徴収義務者)が、チ

ケット代金に上乗せする等の方法で、日本から出国する旅客(国際観光旅客等)

から出国1回につき1,000円を徴収し、これを国に納付するものです。

 なお、国際観光旅客税の税収は、

(1)ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備

(2)日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化

(3)地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等

の3つの分野に活用されます。

 

 国際観光旅客税の概要は以下のとおりです。

 

・納税義務者

 船舶又は航空機により出国する旅客

 

・非課税等

(1)船舶又は航空機の乗組員

(2)強制退去者等

(3)公用船又は公用機(政府専用機等)により出国する者

(4)乗継旅客(入国後24時間以内に出国する者)

(5)2歳未満の者                   など

 

・税率

 出国1回につき1,000

 

・徴収・納付

(1)国際旅客運送事業を営む者による特別徴収(国際旅客運送事業を営む者の

運送による出国の場合)

 ・国際旅客運送事業を営む者は、旅客から徴収し、翌々月末まで国に納付

(2)旅客による納付(プライベートジェット等による出国の場合)

 ・旅客は、航空機等に搭乗等する時までに国(税関)に納付

 

・適用時期

 平成3117日(月)以後の出国に適用(同日前に締結された運送契約による

国際旅客運送事業に係る一定の出国を除く)

 

詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。

国際観光旅客税に関するQ&A

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/kanko/pdf/01.pdf

 

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3.FPの窓 -長期平準定期保険とは-

                               安藤 仁江

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-長期平準定期保険とは-

 法人が生命保険に加入する目的は、大きく分けて3つあるといわれています。

 

(1)経営者に万が一のことがあった場合の備え

(2)経営者の退職金の準備

(3)緊急時の資金の確保 等

 

 なかでも、これらの需要を満たす保険のひとつに長期平準定期保険がありま

す。長期平準定期保険とは、法人が、自己を契約者とし、役員又は使用人(これ

らの人の親族を含みます)を被保険者として加入した定期保険のうち、その保険

期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、その保険に加入し

た時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105

を超えるものをいいます。

 例えば、80歳満期の定期保険を例にとりますと、次のようになります。

 

●契約年齢が50歳の場合

 50+(80-50)×2=110>105・・・長期平準定期保険

●契約年齢が56歳の場合

 56+(80-56)×2=104<105・・・定期保険

 

 「平準」とは保険金額が不変であることを意味し、特に長期の保険期間を設定

しているため「長期平準定期保険」といわれます。また、満期を100歳に設定

する保険契約もあることから安い保険料で終身保険と同様の効果を得られる一方

で、解約返戻金の戻り率が高いため、途中解約を前提に退職金の準備資金として

活用されることが多いようです。

 

-長期平準定期保険の会計処理-

 「保険期間=保険料支払期間」(全期払)のケースでは、保険期間の前半6/

10の期間は、支払保険料の半分を「前払保険料」として資産計上し、残り半分

を支払保険料として損金計上します。

 残りの保険期間4/10の期間では、当初6/10の期間で資産計上した額

(前払保険料)を均等に取り崩していきます。また、解約時(解約返戻金受取

時)には、解約時点での解約返戻金から保険積立金として資産計上した金額(前

払保険料)を差し引いた額を雑収入(または雑損失)として計上します。

 御社が加入されている長期平準定期保険、現時点での時期(前半6割期間また

は後半4割期間)について、

 この機会に再確認されてはいかがでしょうか。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

眠れないほど面白い『古事記』  (三笠書房・由良弥生)

                             伊藤 芳美

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 以前「天孫降臨」という名前の焼酎をいただいたことがあります。そのとき一

緒にお食事をしていた方々が古事記に出てくる神々についてとても詳しく、楽し

そうにお話をされているのを横で聞いていて、いつかは古事記を読んでみたいと

思っていました。

 「古事記は、上・中・下の三巻から成り、でき上がったのは8世紀の初め、7

12(和銅5)年のことであり、現存するわが国最古の書物と言われています。

上巻は天地開闢から天孫降臨前後にいたる神々の物語、中巻は初代神武天皇から

第15代応神天皇までの出来事、下巻は第16代仁徳天皇から第33代推古天皇

までの出来事が納められています。」と本の中で紹介されているとおり、古典の

授業で出てくるような難しいイメージがありますが、この本は、大変読みやすく

て一気に読めます。読んでみると、イザナキ・イザナミの神の話や、アマテラス

大御神(天照大御神)が天の岩戸に隠れてしまった話、ヤマタノオロチ退治の話

など、上巻は子どもの頃に読んだ覚えのある話がたくさんありました。神様の名

前は何度読んでも難しく、なかなか覚えられませんが、天孫降臨の主人公 邇邇

芸命(ニニギノミコト)はしっかり覚えることができました。

 あらすじがざっと分かったところで、今度は本格的な古事記に挑戦してみたい

と思います。また、天孫降臨の地など行ってみたい場所も増えました。眠れない

ほど面白いおすすめの1冊です。

 

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5.-セミナーのご案内-

 

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 下記の通り「大事業承継時代~新・事業承継税制の活用」(主催 税理士法人

アズール)を開催致します。

 ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしており

ます。

 

             記

・日  時  平成30年7月13日(金) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士・税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       (名古屋市中区栄三丁目1533号)

 

・参 加 費  無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

☆★TIMELY@Azure 第70号★☆

☆★TIMELY@Azure 第70号★☆

                                             平成30年5月16日
                                             税理士法人 アズール
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新・事業承継税制の活用(2)

                  代表社員 長谷川 敏也
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 前号に引き続き新たな事業承継税制の活用の留意点をご紹介します。平成30年度税制改正では、中小会社の経営を親から子へバトンタッチするための「非上場株式等」に係る贈与税や相続税を最終的にはほとんど免除してくれる可能性の高い制度ができました。

 

この新たな事業承継税制は、税府が平年度ベースで710億円もの税収減を覚悟してまでの力の入れようですが、当の中小企業の中には、いまだ問題の重要性が分かっていない方も少なくありません。この新たな事業承継税制の一番のポイントは、事業承継の計画を今年の4月から5年以内に提出しなければならない時限立法であることです。

 

「非上場株式等」とは、中小企業者である非上場会社の株式又は出資(医療法人の出資は含まれません。)をいいます。対象となる会社の要件としては、「事業」「雇用」が必要で、資産管理会社は除かれます。

 

株式の贈与を受ける後継者は、①会社の代表権を有していること、②20歳以上であること、③役員の就任から3年以上を経過していること、④贈与を受けた後、後継者及び後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有することとなること、⑤後継者と特別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること、などのいくつかの条件が必要です。

 

株式を贈与する側である前経営者は、①会社の代表権を有していたこと、②贈与の直前において、贈与者及び贈与者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと、③ 贈与時において、会社の代表権を有していないこと、などのいくつかの条件が必要です。さらに、後継者と合わせて、発行済株式等の三分の二まで(又は全株式等)を一括で贈与する必要があります。

その後、代表者でない、前経営者の配偶者が保有する株式等を後継者に贈与する場合も対象となり得ます。

 

5年以上事業を継続したのち、先代経営者等(贈与者)が死亡した場合や、後継者(受贈者)が死亡した場合に、猶予されている贈与税の納付が免除されます。この場合には、相続税の納税猶予制度への渡りも可能です。

 

詳しくは、別途ご案内の事務所セミナー(7月13日(金)開催)でお伝えしますので、ぜひご参加ください。

 

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相続税ミニコラム-民法改正と税金-

               伊藤 芳美
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 「法律の改正があって、自宅を妻に贈与しても税金がかからなくなったというのは本当ですか?」少し前にこのような質問を受けました。

 現在衆議院にて審議中の改正民法の中に盛り込まれている遺産分割に関する改正と税金の話が一緒になってしまい混乱しているので、少し整理してお答えしました。

  1. 遺産分割に関する改正

まず改正民法の中の遺産分割に関する改正とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で配偶者に居住用の不動産を遺贈または生前贈与をしたときは、持戻し免除の意思表示があったものと推定し、遺産分割の対象としないものとするという改正です(改正民法903条4項)

現行民法では、「自宅は配偶者に相続させる」という遺言があるときや配偶者に自宅の生前贈与をしている場合でも、特別受益者の相続分(民法903条)の規定により、その財産(自宅)を相続開始の時に相続人が有する財産に持戻して合算したうえで、各相続人の相続分を算定することになります。このため、財産が自宅とわずかな預貯金のみというケースで配偶者以外の相続人が法定相続分の財産の相続を希望する場合は、自宅を売却して金銭で分配する場合もあり、残された配偶者が住み慣れた自宅を追われる恐れがあります。また、配偶者が自宅を相続できたとしても、自宅の評価額が高ければ高いほど他の財産を受け取る余地が少なくなり、生活資金に困るなど不安な状態に陥ることも考えられます。

改正後は、遺贈または生前贈与された自宅は遺産分割の対象から外されることとなりますので、配偶者は自宅に住み続けることができ、他の財産を取得できる可能性も広がるので配偶者の老後の生活保障が厚くなります。

  1. 配偶者の居住権

このほか今回の民法改正では、配偶者の居住権の創設も注目されています。これは、配偶者が被相続人の財産である建物に相続発生時(被相続人が亡くなったとき)に居住していた場合において、①遺産分割によって配偶者居住権を取得したとき②配偶者居住権が遺贈の目的とされたときは、配偶者が終身または一定期間住み続けることができる権利です。(改正民法1028条1項)配偶者が配偶者居住権を取得した場合には、その財産価値に相当する価額を相続したことになりますが、自宅の所有権よりは評価額が低くなると考えられることから、生活費に充てる預貯金などを相続する余地が増えます。

以上のように、高齢化や家族関係が時代とともに変化していく中、残された配偶者の老後の住まいや生活費を確保しやすくするための民法改正が行われる予定です。

  1. 贈与税の配偶者控除

一方、税金についてですが、配偶者に対する贈与には「贈与税の配偶者控除」があり、夫婦間で居住用不動産またはその購入資金の贈与があったとき、婚姻期間20年以上などの一定の要件を満たせば、2,000万円までは贈与税を非課税とする制度があります。相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産がある場合、通常の贈与では、その財産も相続税の計算の際、課税価格に加算する必要がありますが、この特例の適用を受けて被相続人から贈与された居住用財産については、その必要はありません。この特例の改正は今のところありませんので、基礎控除の110万円と2,000万円の合計額を超える自宅を贈与した場合は課税されることとなります。

税金の問題については、改正民法成立後の財産評価基本通達の改正で、相続税の計算の際、居住権や居住権付き不動産をどう評価することになるのか等、今後も注目されるところです。

なお、配偶者居住権は婚姻期間にかかわらず適用されるようですが、遺言がない場合は遺産分割協議によることになるので、必ず適用できる保証はありません。また、遺言がある場合はそちらが優先されることになりますが、家族の事情によってはこの事が家族間の新たな問題となる場合もあるので、これまで以上に慎重な生前対策が重要になってくると思われます。

 

 

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-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「大事業承継時代~新・事業承継税制の活用」(主催 税理士法人アズール)を開催致します。

ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年7月13日(金) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

      (名古屋市中区栄三丁目1533号)

 

・参 加 費  無料

 

・協  賛  三井住友信託銀行

 

お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第69号★☆

☆★TIMELY@Azure 第69号★☆

                                               平成30年5月1日
                                               税理士法人 アズール
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 新緑がまぶしい5月を迎えました。

新年度の慌ただしさも少し落ち着いてきたころでしょうか。

5月の第2日曜日といえば「母の日」です。

母の日のプレゼントといえば、やはりカーネーションが思い浮かびます。

カーネーションといえば、赤色を想像しますが、赤色の他にも黄色やピンク色、最近では青色のカーネーション「ムーンダスト」という品種もあるようです。

「孝行したい時分に親はなし」といいますが、年を重ねるごとに実感が深まります。

日常の忙しさの中で、ついつい忘れてしまいがちな親孝行ですが、母の日を通して、日頃の感謝を伝えられたら、と思います。

                                                   安藤 仁江

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今月のINDEX

1.-事業承継税制の活用の留意点-

2.-新規取得設備の固定資産税が最大3年間ゼロになります-

3.FPの窓 -18年公示価格、地方圏で26年ぶりの上昇-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『素顔の西郷隆盛』 (新潮社・磯田道史)

5.-セミナーのご案内-

 

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1.-事業承継税制の活用の留意点-

                                             代表社員 長谷川 敏也

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事業承継税制は、平成21 年の創設後、平成22年、平成23年、平成25年、平成27年、平成29年と改正され、この平成29 年改正後の制度を現行(恒久)措置とし、平成30 年度において10 年間の時限措置として、特例事業承継制度が創設されました。

 この事業承継税制と言われるものは、非上場株式等(中小企業である株式会社等)に係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度で、税制改正大綱では、「中小企業の代替わりを促進するため、事業承継税制を10 年間の特例措置として抜本的に拡充する。」とされたものです。

 

複雑な制度ですが、簡単に言えば、後継者が、認定を受けた承継会社の代表権を有していた者(先代経営者)から、贈与又は相続等によりその会社の非上場株式を取得した場合には、その贈与税又は相続税を、後継者の死亡の日等までその納税を猶予し又は免除する、という画期的なものです。

 

それが、今年度から次のように改正されたというものです。

1.対象株式を現行の3 分の2 から100%へ

2.相続税の納税猶予割合を現行の80%から100%へ

3.先代経営者以外の者からの承継も適用対象に

先代経営者の配偶者から後継者へ承継する場合も、贈与税・相続税の100%が納税猶予されます。この贈与者の拡大は、配偶者や直系血族においては大変望ましいことですが、直系血族以外の親族や非同族の株主においては注意が必要です。

4.最大3 名までの後継者への承継が適用対象に

最大3 名の後継者(=代表取締役)への承継の実現は、次世代、次々世代まで考えると、企業の事業承継としては難しい問題を抱えることになります。

5.贈与者の複数化に伴い、最初の贈与者と他の贈与者が明確に区分されます。

筆頭株主要件を充足した先代経営者が最初の贈与者となり、この最初の贈与単独で後継者が筆頭株主要件を充足する必要があります。

6.この10 年間に贈与が実行された場合に、この全ての贈与者の死亡については、期間制限なく特例事業承継制度が適用されます。

 

自社株式の承継問題は、中小企業にとって重要な課題ですので、ぜひ一度アウトラインだけでも頭に入れておいたほうが良いと思います。当事務所では7月に事務所セミナーを開催しますのでご検討ください。

 

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2.-新規取得設備の固定資産税が最大3年間ゼロになります-

                                                    江口 創

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中小企業が設備投資を行った場合の固定資産税の軽減措置として、現在は3年間税額を2分の1とする「中小企業等経営強化法」が施行されていますが、今通常国会において審議中の「生産性向上特別措置法」ではさらなる軽減措置が講じられます。これにより、愛知県ではすべての市町村において新規取得設備の固定資産税が3年間ゼロとなる予定です。

 

<要件>

対象者:中小企業等(資本金1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等)のうち、先端設備等導入計画(※)の認定を受けた者(大企業の子会社を除く)

 

※先端設備等導入計画

 設備導入によって労働生産性が年平均3%以上向上することが見込まれることについて、認定経営革新等支援機関(会計事務所、金融機関等)が事前確認を行った計画であること

 

対象設備:生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する下記の設備

・減価償却資産の種類(最低取得価格/販売開始時期)

・機械装置(160万円以上/10年以内)

・測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内)

・器具備品(30万円以上/6年以内)

・建物附属設備(60万円以上/14年以内)

 

期間:生産性向上特別措置法の施行日から平成33年3月31日まで

   (現在4/17に衆議院で可決され、参議院で審議中です。)

 

設備取得までの流れ:

(1)工業会からの証明書取得

(2)市区町村からの先端設備等導入計画の認定を取得

(3)設備取得

なお、(2)の認定前までに(1)の証明書が取得できなかった場合でも、認定後から翌年1月1日までに当該証明書を追加提出することで特例を受けることができます。また、計画変更により設備を追加する場合も同様です。

 

現行制度からの変更点のうち注意すべきもの

・計画の提出先:事業分野ごとの所管の省庁から設備設置先の市区町村へと変わります。

・計画申請期日:現行制度では設備取得後も60日以内の申請であれば認められますが、新制度では必ず設備取得前に計画申請をし、認定を受ける必要があります。

・任意だった経営革新等支援機関の関与が新制度では必須となります。

 

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3.FPの窓 -18年公示価格、地方圏で26年ぶりの上昇-

                                                   武友 正哉

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国土交通省は327日に201811日時点の公示価格を公表しました。全国的に広くゆるやかな地価の回復傾向が明らかになっています。特に地方圏では、商業地の平均が平成4年以来26年ぶりに上昇に転じ、住宅地を含めた全用途の平均でも、26年ぶりに下落を脱して横ばいに転じています。

 公示価格とは、土地取引における特殊な事情などが取り除かれた、自由な取引において通常成立すると考えられる1㎡当たりの価格を示します。公示価格の決定は、まず1地点について2人の不動産鑑定士が各々別々に現地を調査し、最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して評価を行います。さらに、地点間や地域間のバランスなどを検討し、国土交通省の土地鑑定委員会が最終的に決定しています。

ただし、土地の価格の指針として公的に公表される指標は、この公示価格のほかに、都道府県が評価する基準価格、国税庁が算定基礎とする路線価、市町村が決定する固定資産税評価額と4種類もあります。

◆ 公示価格〔3月に発表〕

・ 毎年11日時点の土地の価格を国交省が調査

・ 全国の都市計画区域を対象に、約3万地点を不動産鑑定士に鑑定させた上で決定

・ 主に土地の取引価格の目安として利用されるが、他の地価指標にもなっている

◆ 基準価格〔9月に発表〕

・ 毎年71日時点の土地の価格を都道府県が調査

・ 公示価格と異なり、都市計画区域外の住宅地、商業地、工業地も対象

・ 主に土地の取引価格の目安として利用され、実勢価格に一番近い

◆ 路線価〔7月に発表〕

・ 毎年11日時点の土地の価格を国税庁が発表

・ 公示価格の80%位の水準

・ 相続税や贈与税の評価に用いられる

◆ 固定資産税評価額〔4月頃に発表〕

3年毎の11日時点の土地の価格を市町村が決定

・ 公示価格の70%位の水準

・ 固定資産税の他に登録免許税、不動産取得税の算定に利用

 

それぞれ用途が違いますがすべて関連しているので目安として不動産取引の際には参考にして下さい。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『素顔の西郷隆盛』   (新潮社・磯田道史)

               林 真理子

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現在放映中のNHK大河ドラマ「西郷どん」の時代考証をされている磯田道史氏による本ということで、気になり書店で手に取った一冊です。

今年は明治維新から数えて150周年、その最大の功労者である西郷隆盛に大きな注目が集まっています。この本は西郷隆盛の薩摩での生い立ちから、西南戦争で自決するまで、当時の人の認識や思想、時代背景を踏まえた上で分かりやすく描かれています。

今まで西郷隆盛と聞いてイメージがうまくつかめていませんでしたが、この本でどんな人物だったのかイメージをつけることが出来きました。NHKの西郷どんに興味を持った方はもちろん、そうでない方も楽しめる本だと思います。

 

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5.-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「大事業承継時代~新・事業承継税制の活用」(主催 税理士法人アズール)を開催致します。

ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年7月13日(金) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士・税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       (名古屋市中区栄三丁目1533号)

 

・参 加 費  無料


・協  賛  三井住友信託銀行

 

 お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第68号★☆

☆★TIMELY@Azure 第68号★☆

                                          平成30年4月16日
                                          税理士法人 アズール
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NISAが簡易な制度に改正

              代表社員 長谷川 敏也
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 2014年にNISA(少額投資非課税制度)が開始されてからすでに4年以上が経ち、毎年のように改正がされています。そして、2018年度改正では、より簡易な制度とする改正が行われました。

 

NISAは、個人が、年間120万円までの投資(上場株式や投資信託)の売買利益、配当に対して非課税となる制度で、これが5年間継続し、毎年枠が120万円ずつ増える制度。6年目は最初の年のNISA枠は消失し、6年目の枠へと移管され、最大で600万円まで非課税扱いとなる制度です。利益や配当に対して20.315%の税金がかからないことは大きく、仮に総利益が100万円だった場合、100万円まるまる得できるのと203150円分税金がかかるのとでは大きな差があるのは一目瞭然です。

 

NISA(少額投資非課税制度)については、口座開設数が約1,090万口座、買付金額が約11.2兆円となるなど、制度開始以降、着実に普及(一般NISA:平成29年6月末時点)していますが、一方、口座開設以降一度も買付けが行われていない口座が相当数にのぼるなど、稼働率の向上には課題があります。

この理由の一つとしては、現在、投資家がNISA口座の開設を申し込んでも、当日には買付けができず(二重口座でないことの確認が必要)、2回目の来店までに買付け意欲を失い、買付けが行われないことが挙げられています。そこで、NISA口座を即日で開設し、同日に買付けることを可能とする改正が行われました。すなわち、税務署での二重口座確認前に、NISA口座を開設できる簡易届出の仕組みが創設されます(平成31年1月1日以後に非課税口座簡易開設届出書が提出される場合について適用)。

 

一般NISAの場合、保有から5年が経ち非課税期間が終了した後、顧客は引き続き非課税枠を使って投資を行うこと(ロールオーバー)ができますが、ロールオーバーを希望しない場合には、保有商品は課税口座へ移管されてしまいます。課税口座には一般口座と特定口座(※)がありますが、現行では特に意思表示をしない限り一般口座に移管されてしまいます(つみたてNISA等も同様)。

(※)一般口座: 顧客が「年間取引報告書」を作成し、確定申告する必要。

特定口座: 金融機関が「年間取引報告書」を作成、源泉徴収を行う(源泉徴収とせず、顧客が確定申告することも可)。

そこで、非課税期間が終了したNISA口座内で保有する商品について、同金融機関に特定口座が開設されている場合には、特段の手続を経ずに当該特定口座に移管されることとする制度改正がなされました(別途の届出により、一般口座に移管することも可能)。

 

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相続税ミニコラム-相続を放棄した者が受け取った生命保険金には相続税はかかるか-

           安藤 仁江
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 生命保険金は、保険契約に基づき受取人が原始的に取得するものであり、受取人の固有の財産とされています。

たとえ相続を放棄した者であっても、生命保険金は受け取ることができます。

「相続放棄」とは、被相続人が残した財産について、相続する権利を放棄するということであり、もともと受取人の財産である生命保険金を取得する権利を放棄するということではありません。

相続税法上は、生命保険金も人の死亡という事実に基づき取得されるものであり、その実態は相続・遺贈によって取得したものと異ならないため、相続財産とみなし、相続税を課することとしています。そして、相続を放棄した者は、当然相続人としての取扱いは適用されないため、遺贈によりその生命保険金を取得したものとみなされ、相続税の課税対象となりますが、相続を放棄した者については、生命保険金の非課税規定は適用されません。

 

相続を放棄した者の相続税額の計算にあたっては、以下の点にご注意ください。

 

1.相続を放棄した者については、債務控除の適用はありませんが、その者が現実に被相続人の葬式費用を負担した場合には、その負担額は、その者の遺贈によって取得した財産の価額から控除することができます。

 

2.遺産にかかる基礎控除額、相続税の総額および生命保険金の非課税限度額を計算する上では、相続を放棄したときでも、それとは無関係に、もとの法定相続人の数によって算出します。

 

3.相続を放棄した者が、遺贈により財産を取得した場合において、その者がその遺贈にかかる被相続人の一親等の血族(代襲相続人を含みます。)および配偶者であるときは、相続税額の2割加算の規定の適用はありません。

 

4.贈与税額控除、配偶者に対する相続税額の軽減等の税額控除の規定は、相続を放棄した場合でも適用が受けられますが、相次相続控除制度のみは相続人に限定されていますので、適用されません。

 

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-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「平成30年度税制改正の実務ポイント」(主催 税務研究会中部支局)を開催致します。

ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年4月26日(木) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  税理士会ビル2F(名古屋市千種区覚王山8-14)

 

・参 加 費  顧問先様 無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第67号★☆

☆★TIMELY@Azure 第67号★☆

                                                平成30年4月2日
                                                税理士法人 アズール
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 4月に入って暖かくなり桜が満開を迎えています。

 当事務所がある東桜周辺でもたくさん桜を見ることができますが、この東桜の地名は東西を通る桜通に由来しており、桜通は今ではイチョウ並木の名所となっていますが、通沿いにあります桜天神に昔は大きな桜の木があり、桜の名所として知られていたことからこの桜通という地名が付いたそうです。

 物事の始まりとして縁起の良い桜を見ながら、気持ちも新たに新年度を迎えましょう。

                                                    三谷 典久

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今月のINDEX

1.-中小企業と医院のM&A-

2.-保険に関する調書の見直しで相続税や贈与税の申告漏れに対応-

3.FPの窓 -国税の納付手続-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『少数株主』 (幻冬舎・牛島信)

5.-セミナーのご案内-

 

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1.-中小企業と医院のM&A-

                                              代表社員 長谷川 敏也

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中小企業のM&Aは後継者不在に直面したオーナー経営者の後継者の問題を解決するための有力な選択肢として、今日では一般的に定着し、活発に行われています。60代、70代の世代交代期を迎えている世代の経営者は経営のバトンタッチをしなければならないものの、後継者難に直面している場合が多く、これが最も典型的で、相談の多い譲渡(M&A)の理由となっています。 この傾向は、医院でも同じで、どの産業でもオーナーの高齢化と世代交代の機運が盛り上がっています。

一方で閉塞感を打破し、新たな成長戦略としてM&Aを積極的に活用する企業も数多く存在しています。ゼロから自社ですべてを立ち上げるよりも、すでにその事業で実績を上げ、顧客を獲得している既存事業を買収したほうがリスクも少なく合理的ですし、結果として投資金額が抑えられるということがあります。何より成長のための「時間を買う」という意味において、買い手にとってM&Aは有効です。

 

会社の跡継ぎになる人、すなわち事業を承継する相手先としては①親族、②役員・社員、③第三者のいずれかということになりますが、中小企業の後継者の問題、事業承継問題について突き詰めて考えていくと、必ずいくつかの現実に直面します。

中小企業の場合、息子や娘婿など親族に事業を承継するのが一般的でしたが、昨今は特に後継者不足に直面する企業が少なくありません。息子、娘婿などの候補者がいたとしても、「果たして本人が事業を継ぎたいと考えているか」、「事業を継ぐ能力があるか」、「高度経済成長期から低成長経済、競争激化へ環境が大きく変わっている」などを冷静に考える必要があります。

 

そこで、平成30年度税制改正では、中小企業等経営強化法を改正し、M&Aによる事業承継を支援対象に追加。経営力向上計画の認定を受けた事業者に対して、再編・統合を行った際に係る登録免許税・不動産取得税を軽減することとなりました。M&Aを通じた事業承継について、新たに支援措置を創設することで、多様な経営引継ぎの形態に応じた次世代経営者への事業承継を加速させるという政府のメッセージが伝わってきます。

 

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2.-保険に関する調書の見直しで相続税や贈与税の申告漏れに対応-

                                                    浅井 友哉

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平成27年度改正で行われた保険に関する調書の見直しにより、保険会社は保険契約者の死亡により契約者の変更が行われた場合や保険契約の一時金の支払いが行われた際に、契約変更等の情報を記載した調書を作成し税務署に提出することになりました。

 これらの調書の提出により、平成3011日以後効力が生じるものから、税務署は保険契約の変更に関する情報を的確に把握できることになりました。

 

今まで申告漏れが多かったケースは以下の2点となります。

 【ケース1】

 契約者(保険料負担者)である父が死亡したことにより保険契約者及び受取人を子に変更したケースで被保険者は母であり、父の死亡時に保険金の支払事由が生じていないため保険金の支払いがなかったケース。

 しかし、生命保険契約に関する契約者の地位を子が引き継いでいることから相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金相当額が相続財産に該当しますが、相続税の申告から漏れているようなケース。

 【ケース2】

 契約者(保険料負担者)を父から子へと変更したケースで受取人は契約者変更前後いずれも子であるケース。

 保険料が満期を迎え一時金の支払いがあった場合、一時所得として申告することになりますが、所得税の計算上控除できるのは、原則としてその保険金等の受取人本人が払い込んだ保険料に限られますが、旧契約者である父の払込保険料も含めて控除しているケース。本来、父の払込保険料相当額は贈与税の対象となります。

 

 新たに創設された「保険契約者等の異動に関する調書」には、新保険契約者等・死亡した保険契約者等・被保険者等の住所や氏名のほか、解約返戻金相当額や死亡した保険契約者等の払込保険料等の金額などが記載されるため、税務署に【ケース1】のような申告漏れを把握されることになります。

 他方、保険金等の支払いが行われた際に、保険会社が作成する「生命保険契約等の一時金の支払調書」は、改正により、直前の保険契約者等、その契約に係る現契約者が払い込んだ保険料の額、契約者変更の回数を記載する欄が追加されているため、税務署に【ケース2】のような申告誤りや贈与税の申告漏れを把握されることになります。

 

平成3011日以後、生命保険契約について変更等を行った場合には、ご留意下さい。

 

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3.FPの窓 -国税の納付手続-

                                                   長谷川 裕美

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国税(源泉所得税・法人税・消費税等)の納付手続きには様々な方法がありますので、特徴を紹介致します。

① 窓口納付…全税目可能

 納付方法:金融機関又は所轄の税務署の窓口で、現金に納付書を添えて納付

② 振替納税…申告所得税・消費税(個人事業者)のみ可能

 納付方法:納税者名義の預貯金口座からの口座引落しにより納付

 事前準備:利用する国税の納期限までに、納税地を所轄する税務署に振替依頼書を提出

ただし、転居等により納税地を所轄する税務署が変更する場合は、変更後の税務署へ新たに振替依頼書を提出する必要があります。

③ ダイレクト納付…全税目可能

 納付方法:e-Taxにより申告書等を提出した後、納税者名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に口座引落しにより電子納付

 事前準備:税務署へe-Taxの利用開始手続を行った上、ダイレクト納付届出書を提出

④ インターネットバンキング等からの納税…全税目可能(納付手続方法により一部ご利用できない税目があります。)

 納付方法:インターネットバンキング、モバイルバンキング又はATMから電子納付

 事前準備:税務署へe-Taxの利用開始手続及びインターネットバンキング等の口座開設

⑤ クレジットカード納付…全税目可能

 納付方法:インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、専用サイト「国税クレジットカードお支払サイト」から納付(納付税額に応じた決済手数料がかかります。)

 利用可能額:1度の手続きにつき1,000万円未満、かつ、ご利用になるクレジットカード決済可能額以下

⑥ コンビニ納付…全税目可能(所得税徴収高計算書により源泉所得税を納付する場合等は利用不可)

 納付方法:税務署から送付又は交付されたコンビニ納付専用のバーコード付納付書を使用して、コンビニエンスストアで現金(クレジットカード利用不可)で納付

 利用可能額:納付書1枚につき30万円以下

 

() 当事務所の顧問先様につきましては、上記③④の「e-Taxの利用開始手続」は申告書提出時にe-Taxを利用しているため、既に手続き済みです。③④のご利用をお考えの方は、担当者にご相談ください。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『少数株主』   (幻冬舎・牛島信)

                                                    武友 正哉

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『紙くず同然の株券が、大金に変わった! 豪腕弁護士とエリート経営者が 非上場企業の株を買い上げる会社を設立! 非上場企業の株を買い上げ、公私混同し放題、経営努力を怠る経営者を糾弾する! 今まで紙切れも同然だった非上場会社の株が大金に変わる道筋ができたとき、日本経済は復活する』という新聞広告を見て購入しました。

この本は、「大日本除虫菊事件」をモチ-フに書かれています。この事件は、おばあさんの株を相続した人がいました。その人は4.99%の株しか持っておらず、全然経営にタッチしていない人でした。そのため、0.49%の株を相続したのですが、配当もたいしてもらっていなかったので、相続税なんて安いものだろうと思っていたのですが。税務署から、「あなたは相続で5%を超える株主になったから、あなたの株の評価額は1億6千万円です。税金1億円を納めて下さい。」と連絡があり裁判を起こしたというものです。

 

非上場同族会社の株式を相続した場合、相続税の算定のために税務署は株式の評価をします。非上場同族会社の株式の評価は、会社を支配する株主と単に配当を期待する株主とで異なります。会社を支配する株主にとっての株式の評価は企業支配価値に基づく原則的評価方式により、単に配当を期待する株主におけるそれは配当実績に基づく配当還元方式により評価されます。配当還元方式による評価は、原則的評価方式に比べて非常に低い金額となります。税務署は、親族(配偶者、6親等内血族及び3親等内姻族)で30%以上の株を保有している場合、その親族を同族株主と呼びます。同族株主に該当すれば、例え経営に関与しておらず単に配当を貰っているだけの親族であっても、相続後の保有割合が5%以上になれば、税務署は、原則として会社を支配する株主として、相続税を課すことになります。

 

非上場株式会社の少数株主の権利と危険について書かれています。後半は、少し蛇足が多い気もしますが、ストーリー性があるので、読み易い一冊です。

 

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5.-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「平成30年度税制改正の実務ポイント」(主催 税務研究会中部支局)を開催致します。

 ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年4月26日(木) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  税理士会ビル2F(名古屋市千種区覚王山8-14)

 

・参 加 費  顧問先様 無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第66号★☆

☆★TIMELY@Azure 第66号★☆

                                               平成30年3月19日
                                               税理士法人 アズール
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混乱必至の所得税改正

                   代表社員 長谷川 敏也
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 平成30年度税制改正法案が成立する見込みです。佐川前国税庁長官事件で国会が大混乱したことを記憶しておきましょう。

 ところで、平成30年度税制改正で、すべての顧問先様に関係のある所得税の改正が行われます。これがずいぶんと複雑です。ポイントは次の通りですが、人間の頭では覚えきれない=パソコン頼りになって行くこと必至です。※平成32年分(2020年分)以後の所得税について適用します。

 

(1)給与所得控除・公的年金等控除の引き下げと基礎控除への振替

 働き方の多様化を踏まえ、様々な形で働く人をあまねく応援する等の観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律 10万円引き下げ、どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額を10万円引き上げます。

給与所得と年金所得の双方を有する方については、片方に係る控除のみが減額されます。

 

(2)給与所得控除の削減

給与所得控除については、実額の勤務関連経費や諸外国の水準と比べても過大となっているとの指摘がなされてきたことを踏まえ、「控除額を主要国並みに漸次適正化する」との方針の下、段階的に見直しを進めてきています。

 年収1500万円のサラリーマンの場合、平成27年分は245万円→28年分は230万円→29年分は220万円へどんどん下がりました。その結果、3年連続で増税になり、小遣いが減ることになりました。

 今回の改正でも、これまでの方針に沿って、給与収入が850万円を超える場合の控除額を195万円に引き下げます。ただし、子育てや介護に配慮する観点から、23歳未満の扶養親族や特別障害者である扶養親族等を有する者等に負担増が生じないよう措置が講じられますので年末調整事務が複雑化します。

 

(3)公的年金等控除の削減

 公的年金等控除については、給与所得控除とは異なり控除額に上限がなく、年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど、高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みになっているとの指摘がなされてきました。そこで、次の多くの改正になっています。

1.公的年金等控除額を一律10万円引き下げる。

2.公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額の上限を1955,000円とする。

公的年金等の収入金額が1,000万円を超える人は見たことがありません。問題は次の2項目です。

3.公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超え2,000万円以下である場合の公的年金等控除額を、上記1、2の見直し後の控除額から、さらに一律10万円引き下げる。

4.公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が2,000万円を超える場合にはさらに一律10万円引き下げる(つまり今より30万円下がる=所得が増えて増税になる)。

 

(4)基礎控除の見直し

 基礎控除については、所得の多寡によらず一定金額を所得から控除する所得控除方式が採用されていますが、高所得者にまで税負担の軽減効果を及ぼす必要は乏しいのではないかとの指摘がなされてきたこと等を踏まえ、合計所得金額2,400万円超で控除額が逓減を開始し、2,500万円超で消失する仕組みとします。

 

なお、本年(平成30年分)以後の所得税については昨年度の税制改正で配偶者控除・配偶者特別控除の見直しがされ、本年1月からの源泉徴収の方法が変更になっていますので、経理マンは確認が必要です。

1.納税者本人の受ける控除額

 所得控除額38万円の対象となる配偶者の給与収入の上限を、150万円に引き上げました(改正前の配偶者控除の対象となる配偶者の給与収入の上限は103万円でした)。

2.納税者本人の所得制限

 配偶者控除等の適用される納税者本人に収入制限を設けることとし、給与収入(合計所得金額)が1,120万円(900万円)を超える場合には、控除額が逓減・消失する仕組みとなりました。

 

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相続税ミニコラム-結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合-

                                                    三谷 典久
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 親や祖父母から生前贈与を行った場合の特例制度はいくつかありますが、その中の一つに平成27年度税制改正により創設された「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税」制度があります。

 

我が国においては、家計金融資産の6 割を高齢層が有しており、その資産を早期に若年層に移転することにより経済の活性化につなげるとともに、将来の経済的不安により若年層の結婚・出産を躊躇させることが少子化の大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、新たに設けられた制度です。

 

◆制度の概要

この制度は、平成2741日から平成31331日までの間に、20歳以上50歳未満の者(受贈者)が結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、父母や祖父母などの直系尊属(贈与者)から信託受益権を付与された場合や金銭等の贈与を受けて銀行等に預け入れをした場合などには、受贈者ごとにそれらの信託受益権や金銭等の価額のうち、1,000万円までが非課税となります。

 

◆結婚・子育て資金

1.結婚に際して支払う金銭(300万円を限度)

・挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用

・家賃・敷金等の新居費用、転居費用

2.妊娠、出産及び育児に要する金銭

・不妊治療(薬局に支払われるものも含む)・妊婦健診に要する費用

・分べん費等・産後ケアに要する費用

・子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)

 

◆贈与者が死亡した場合

ここで注意が必要なのは、契約期間中、贈与者が死亡した場合には、死亡日における非課税とされた金額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額を贈与者から相続等により取得したこととされ、相続財産に加算されます。

これは、教育資金の一括贈与非課税制度(相続コラム115日号で解説)との大きな違いです。教育資金非課税制度では、贈与者が死亡した場合でも残額を相続財産に加算されません。

 

◆契約が終了した場合

 その後、受贈者が50歳に達することなどにより、結婚・子育て口座に係る契約が終了した場合には、非課税とされた金額から結婚・子育て資金として支出した金額を控除した残額がある場合には、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされます。

 

◆適用の手続き

 この制度の適用を受けるためには、その契約の際に結婚・子育て資金非課税申告書を金融機関を通じて税務署へ提出しなければなりません。また、金融機関等からの金銭等の払出し及び結婚・子育て資金の支払を行った場合には、結婚・子育て資金の支払に充てた領収書などを一定の期限までに金融機関等へ提出する必要があります。

 

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-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「平成30年度税制改正の実務ポイント」(主催 税務研究会中部支局)を開催致します。

ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年4月26日(木) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  税理士会ビル2F(名古屋市千種区覚王山8-14)

 

・参 加 費  顧問先様 無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第65号★☆

☆★TIMELY@Azure 第65号★☆

                                               平成30年3月1日
                                               税理士法人 アズール
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 先週平昌オリンピックが閉幕しました。確定申告で忙しい合間に少しだけ観戦していましたが、今回のオリンピックでは日本のメダル数が過去最多となったこともあり、見どころがたくさんありました。

 確定申告期はまだ半月ほど続きますが、選手たちの頑張りを思い出しながら乗り切っていきたいと思います。

                                                   江口 創

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今月のINDEX

1.-ふるさと納税のメリット-

2.-所得拡大促進税制の拡充-

3.FPの窓 -平成21年と平成22年に取得した土地等の譲渡所得の特例-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『理論的思考力を鍛える33の思考実験』 (彩図社/北村良子)

5.-セミナーのご案内-

 

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1.-ふるさと納税のメリット-

                                            代表社員 長谷川 敏也

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毎年、この時期、確定申告で多数の皆さんのふるさと納税の処理をしています。数万円ではなく、数十万円、中には数百万円をしている方も珍しくありません。

 

平昌冬季五輪カーリング女子で銅メダルを獲得したLS北見の活躍を受け、北見市には、チームへの寄付に関する問い合わせが全国から舞い込んでいるとの報道があります。企業チームではないLSの活動資金集めの苦労が報道で知られたためとみられ、北見市の知名度アップに伴い、ふるさと納税の申込件数も前年同期の4倍以上に上り、市はうれしい悲鳴を上げているそうです。

 

自治体によって様々な特産品が受け取れることで有名なふるさと納税ですが、その最大の特徴はその年の所得税からの還付を受けることができ、かつ翌年の住民税から税額が控除される点にあります。所得税の所得控除の対象となる金額、個人住民税からの税額控除額ともに自己負担2,000円を超える部分について対象となります。つまり、2,000円の自己負担で特産品がもらえ、ふるさとに貢献しながら、税制メリットを享受できるということです。

ですから、トータルでの支出は変わらず、むしろ、ふるさと納税=寄附が先行しますが、税金に関しては減る、ということです。

 

平昌冬季五輪の熱気を失わない今のうちに、ふるさと納税を実行し、来年の今頃、寄附金証明書を見返すと、きっとカーリング女子のことを思い出すに違いありません。熱しやすく冷めやすい方にとっては、記憶を呼び覚ますということもメリットの一つだと思います。

 

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2.-所得拡大促進税制の拡充-

                                                   山本 祐子

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平成30年度税制改正により、所得拡大促進税制が大幅に変更されます。改正により従来の制度から支援を深掘りするとともに、制度をシンプルにし幅広い企業の活用を推進して企業の賃上げを支援する形となっています。また思い切った賃上げに加え人材投資や生産性向上に取り組む企業にはさらに上乗せした支援がされます。今回は中小企業の場合についてご説明いたします。

 

<現行制度での適用要件>

要件1 給与等支給総額が対基準年度(平成24年度)比で3%以上増加

要件2 給与等支給総額が前年度以上

要件3 平均給与等支給額が前年度を上回る

 

以上の1~3の要件をすべて満たす場合は給与等支給総額の対基準年度増加額の10~ 22%の税額控除ができます。(ただし、法人税額の20%が上限)

 

<改正後の適用要件>

要件1 給与等支給総額が前年度以上

     ⇒基準年度との比較要件は撤廃

要件2 平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加

 

以上の1、2の要件を満たす場合は、給与等支給総額の対前年度増加額の15%の税額控除ができます。(ただし、法人税額の20%が上限)

 

さらに改正後の要件2の増加率が2.5%以上であり、次のイまたはロのいずれかの要件を満たせば15%の税額控除にさらに10%上乗せして税額控除ができます。

イ.従業員に対する教育訓練費が対前年度比10%以上増加

ロ.中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上が

なされていること

 

なお、現行制度では設立事業年度でも適用が可能でしたが、改正後は設立事業年度での適用はできませんので注意が必要です。

 

この改正は平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用できる時限措置となっています。

 

詳細につきましては、経済産業省ホームページをご覧ください。

http://www.meti.go.jp/index.html

 

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3.FPの窓 -平成21年と平成22年に取得した土地等の譲渡所得の特例-

                                                   安藤 仁江

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世界的に大規模な金融危機である「リーマンショック」が起きたのは、平成20年。あれから10年経ちますが、まだ記憶に新しい方もいらっしゃるかと思います。その当時、不動産価格が暴落し、低迷する不動産市場の状況を踏まえ、土地需要を喚起し土地の流動化などを推進する観点から、平成21年度税制改正において、景気回復期間中に取得した土地に係る譲渡益課税の特例が2つ創設されました。そのうちの1つが「平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除制度」です。

この特例は、個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した国内にある土地等で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中のその譲渡に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円(その長期譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、その長期譲渡所得の金額)を控除することができる制度です。この場合の「国内にある土地等」とは、国内にある土地または土地の上に存する権利をいい、建物等は含まれていません。

 

○特例を受けるための留意点

 土地等の「取得」の範囲からは、

1.配偶者その他の特別の関係がある者からの取得

2.相続、遺贈、贈与及び交換による取得

3.代物弁済としての取得及び所有権移転外リース取引による取得

の3つが除かれます。

この特例は土地等の譲渡益にのみ適用されますが、マンションの場合においては、敷地権部分について適用することができます。なお、取得した土地等の用途は問いませんので、居住用の土地に限らず、賃貸していた土地や投資用の土地、セカンドハウスの土地等を売却した場合でも、適用することができます。

この特例を受けるためには、確定申告書を提出する際、次の書類を添付することになります。

(1)譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】

(2)土地等の登記事項証明書や土地等を取得したときの売買契約書の写しなどで、譲渡した土地等が平成21年又は平成22年に取得されたものであることを明らかにする書類

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『理論的思考力を鍛える33の思考実験』 (彩図社/北村良子)

                 江藤 真実

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いきなりですが、あなたの目の前には2通の封筒があります。

封筒の中には数字が書かれた紙が入っており、書かれた数字の数だけお金がもらえます。

 あなたが引いた封筒の中には「2」と書かれた紙が入っていました。

その時こんなことを言われたら、あなたはどうしますか?

「もう一方の封筒には、あなたの引いた数の2倍か、2分の1の数字が書かれています。今なら1回だけ変えてもいいですよ」

ここは自分の直感を信じて変えない!という方も多いのではないかと思います。

しかし、結果は「変えたほうがいい」とのことで、もう一方の封筒の方が期待値が高くなるからだそうですが、腑に落ちませんよね?

それは「直感が正解への道を妨げている」からで、視点を変えれば答えは見つかるのに、主観だけ、一方向からしか見ていないと結果損をしてしまうことも・・・。

前置きが長くなってしまいましたが、今回出題した問題は本書に掲載されていたものです。

様々な問題が書かれていて、どれも一筋縄では答えが出ないものばかりで、答えが出せないものもあります。

毎日様々なことを考え、選択する場面に出くわしますが、もし普段遭遇しない最悪な状況に陥ってしまったら行動を起こせるでしょうか?

最悪を想定することは簡単なことではありませんが、少しでも考えておかないと、冷静に考えたらなんでそんな選択をしたのかと悔やむことにもなりかねません。

詳しくは本書に書かれていますが、勉強になるだけでなく、読み物としてもとても面白いのでぜひ読んでみてください。いざという時の判断に役立つかもしれません。

 

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5.-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「平成30年度税制改正の実務ポイント」(主催 税務研究会中部支局)を開催致します。

 ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年4月26日(木) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  税理士会ビル2F(名古屋市千種区覚王山8-14)

 

・参 加 費  顧問先様 無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第64号★☆

☆★TIMELY@Azure 第64号★☆

                                              平成30年2月16日
                                              税理士法人 アズール
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相続税課税割合、愛知県は全国2位、14%に増加

                  代表社員 長谷川 敏也
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 国税庁は昨年1215日、平成28年分の相続税の申告状況を公表しました。

平成28年中に亡くなられた方(被相続人数)は約131万人(平成27年約129万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約106千人(平成27年約103千人)で、課税割合は8.1%(平成278.0%)となっており、平成27年より0.1ポイント増加しました。

つまり、全国で、100人お亡くなりになったら、8人について相続税の納税があった、ということです。この課税割合は相続税の改正前(平成26年)は4.4%ですから、改正のインパクトがいかに大きいかわかります。

 

ちなみに我が国の平成28年の出生数は約98万人と100万人を切っていますので、人口減はなんと33万人です。愛知県では、春日井市の人口が30万人、豊橋市が37万人ですので、このクラスの都市が消滅してしまった、ということです!

 

平成28年分の課税割合についての都道府県別順位は、東京(15.8%)、愛知(14.0%)、神奈川(12.6%)、埼玉(9.8%)の順に(ちなみに岐阜は大阪よりも多い9位で8.4%)高くなっています。愛知県では、100人お亡くなりになったら14人について相続税の納税があった、ということですから、愛知県の高齢者がいかに全国的にも貯蓄が大きいかを物語っています。

 

また、平成30年度税制改正では、一般社団法人・一般財団法人に財産を移転することによる課税逃れや、小規模宅地等の特例の本来の趣旨を逸脱した悪用を防止する観点から、贈与税・相続税の課税の適正化に係る見直しが盛り込まれています。こうしたことから、今後ますます相続税の事前相談や申告相談に注力していきたいと考えています。

 

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相続税ミニコラム-贈与税の配偶者控除と生前贈与加算-

                 松浦 文彦
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 平成298月のコラムで贈与税の配偶者控除をお伝えしましたが、今回はこの特例を適用した場合に、相続税において生前贈与加算の規定が適用されるかについてお伝えします。

 まず、贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産(居住用不動産を取得するための金銭を含みます。)を贈与により取得した場合、その居住用不動産に住み続けることを要件に、贈与税の課税価格から最大2,000万円を控除できるという制度です。

 そして、相続税における生前贈与加算とは、相続または遺贈により財産を取得した者が相続開始前3年以内に被相続人から贈与により財産を取得した場合には、その贈与により取得した財産を相続税の課税価格に加算して相続税を計算するという制度です。

 この加算される財産には、贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分(これを特定贈与財産といいます。)は含まれません。ただし、贈与税の配偶者控除の限度額である2,000万円を超える部分については、生前贈与加算の対象となります。また、贈与した年に相続が発生した場合であっても、生前贈与加算はされません。この場合には、相続税の申告書に一定事項の記載が必要になり、贈与税の申告も必要になります。

このように配偶者に対する生前贈与については、手厚い優遇税制が整備されています。ただ、配偶者へ贈与しても、その配偶者に相続が発生した場合には相続財産とされますが、生前贈与対策として十分な効果を有することも事実です。

例えば、居住用不動産の名義が夫のみであった場合に、一部を妻に贈与して夫婦の共有財産とした後に、介護が必要な状態になって自宅での生活が難しくなり、夫婦で有料老人ホームに入所することを決めたとします。入所の資金を作るために住んでいた自宅を売却するとき、夫のみの名義であれば所得税における居住用財産の譲渡所得の3000万円の特別控除は夫のみしか使えません。しかし、共有名義にすることで夫婦2人分の適用が可能となり、夫婦それぞれで3,000万円の特別控除が使えます。つまり、2人で6,000万円までの控除を受けることが可能となります。

ただし、家屋は共有でなく、敷地だけを共有としている場合には家屋の所有者以外の者は原則としてこの特例を受けることはできませんのでご注意ください。

 

なお、配偶者控除の適用を受けた部分は、贈与税は非課税となり、生前贈与加算の対象とはなりませんが、不動産取得税や登記費用等の費用がかかりますので、注意が必要となります。

 

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-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「平成30年度税制改正の実務ポイント」(主催 税務研究会中部支局)を開催致します。

 ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年4月26日(木) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  税理士会ビル2F(名古屋市千種区覚王山8-14)

 

・参 加 費  顧問先様 無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第63号★☆

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                                               平成30年2月2日
                                               税理士法人 アズール
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 今月23日は節分ですね。

 節分といえば「豆まき」はもちろん、最近では、「恵方巻き」を食べる習慣が定着してきましたね。「恵方巻き」とは、歳徳神がいるとされる、その年の恵方を向いて無言で食べることで商売繁盛、無病息災をもたらす、とされています。また、太巻きを切らずにまるごと食べるのは「縁を切らない」ためだそうです。(2018年の恵方は南南東です。)

 コンビニ等では、海老フライ巻きや海鮮恵方巻き等、さまざまな種類のものが売られています。みなさんも、今年の節分はバラエティ豊かな恵方巻きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

                                                  安藤 仁江

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今月のINDEX

1.-税逃れへの歯止め~小規模宅地特例の改正-

2.-副収入を得た場合等は雑所得に該当-

3.FPの窓 -仮装通貨は国外財産調書の対象外!-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『生産性』 (ダイヤモンド社/伊賀泰代)

5.-セミナーのご案内-

 

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1.-税逃れへの歯止め~小規模宅地特例の改正-

                                             代表社員 長谷川 敏也

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相続税の申告において、小規模宅地の特例は、被相続人等の居住又は事業の用に供されていた宅地について、相続税の課税価格を減額する特例です。居住用宅地なら△80%(限度面積330)、事業用宅地なら△80%(限度面積400)、貸付事業用宅地でも△50%(限度面積200)となり、相続税の負担を軽減させる重要な特例です。

ところで、この特例が、居住又は事業の継続への配慮という政策目的に沿ったものとなっていない使われ方があるという指摘を踏まえ、平成30年度税制改正で見直されました。

 

まずは、いわゆる「家なき子特例」の改正です。

家なき子特例の趣旨は、一人暮らしの被相続人の居宅を、持ち家がない親族(家なき子)が相続すれば、330㎡について80%の減額が受けられるようにして、空き家になった実家を税制面から保護することです。同居人が相続する場合(同居親族の特例)と同等の優遇が設けられています。持ち家を所有しない相続人が将来戻るべき実家(空き家)の保護という政策目的があります。

ただ、家なき子になるのは簡単でした。相続開始前3年の間、相続人に持ち家がなければOKでした。そこで、同居する子供や孫に居宅を贈与して、家なき子になることや、同族法人に売却して社宅として住み続けるなどの手法が抜け道となっていました。また、小規模宅地特例の適用は相続人に限定されていないことから、祖父母の居宅を孫(家なき子)に遺贈するといったことも実行されています。

 そこで、節税防止のための改正が行われます。次の者は家なき子に該当しません。

イ 相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者

ロ 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

 かなり厳格化されましたが、3親等内親族というのは、実務的には厳しすぎます。例えば名古屋に住んでいた長男が、大学に通うために、東京の叔父さんの家に下宿させてもらっていた時に、名古屋の実家の親の相続が起きると、長男は家なき子特例が使えなくなります。

 (平成30年4月1日以後の相続に適用されます)。

 

 次に貸付事業用宅地の適用範囲の見直しです。

駆け込み防止で、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地を除外しました。簡単に言えば、タワーマンションを使った節税への対応です。相続直前に現金をタワーマンションに変えて、貸付用宅地として評価して相続税を大きく節税したのちに、ほとんど値下がりしていない価格で売却することが考えられました。今般、この節税策が封じられました。

ただし、相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付をしていた者の宅地は救済されますので不動産をたくさん持っている人には影響がありません。

 (平成30年4月1日以後の相続に適用されます。ただし同日前に賃貸を開始した不動産は除きます)。

 

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2.-副収入を得た場合等は雑所得に該当-

                                                   林 真理子

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国税庁ホームページに掲載されているタックスアンサー「№1906給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」が更新されました。

 

給与所得者の副収入としては、様々なものが考えられますが、例えば次のような所得については、一般的にはそれぞれ雑所得に該当します。

 

1.インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得

(具体例)

・衣服・雑貨・家電などの資産の売却により所得

・ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得

 

2.ビットコインをはじめとする仮想通貨の売却等による所得

具体的には、ビットコインを日本円に換金した場合、ビットコインの取得価格から換金時の値上がり益(換金時の日本円レートで換算)が課税対象となります。ビットコインで資産を購入した際も、ビットコインの取得価格と購入した資産に係るビットコインの値上がり益が課税対象となります。また、別の仮想通貨とビットコインをトレードした場合も、その交換によって増加したビットコインの利益分が課税対象となります。

「換金」、「資産の購入」、「別の仮想通貨とのトレード」、「採掘」のそれぞれの時点が課税されるタイミングになり、事業に係るもの以外はすべて雑所得に区分されます。

これらの雑所得の金額によっては、配偶者控除や扶養控除が不適用になることが考えられます。

 

3.民泊による所得

個人が空き部屋などを有料で旅行者に宿泊させるいわゆる「民泊」は、一般的に、利用者の安全管理や衛生管理、また、一定程度の観光サービスの提供等を伴うものですので、単なる不動産賃貸とは異なり、その所得は、不動産所得ではなく、雑所得に該当します。

 

副収入等によって年間計20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告が必要となります。ただし、医療費控除等の適用を受ける場合やふるさと納税等で確定申告が必要な場合は、たとえ雑所得が20万円を下回っていても、すべての所得を申告する必要があるためご注意ください。

 

詳しくは下記ホームページをご覧ください。

国税庁:給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1906.htm

 

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3.FPの窓 -仮装通貨は国外財産調書の対象外!-

                                                   武友 正哉

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先月26日に仮装通貨取引所大手のコインチェックは、取引している仮装通貨のひとつである「NEM(ネム)」約580億円分が外部からの不正アクセスによる消失したと公表しました。そして、28日未明にはNEMの保有者約26万人に対して約463億円を返金すると発表しています。また、仮想通貨の代表格・ビットコインの値動きですが、先月16日、それまで170万円台だった価格は、一夜明けると105万円まで下落しました。昨年後半の急騰で12月中旬につけた220万円台から、わずか1日で半値となっております(金額は取引所大手のビットフライヤーのものです)。

 このように、値動きが激しい仮装通貨ですが、所得の計算方法等についてはメールマガジン61号にて掲載いたしましたので、今回は、海外の仮装通貨取引所の口座等で仮装通貨を保管している場合に、国外財産債務調書への記載が必要となるか否かについてお話したいと思います。

 

◆国外財産調書

国外財産調査制度においては、その年の1231日において、合計5,000万円を超える国外財産を有する居住者は、その種類や金額その他必要な事項を記載した調書を税務署へ提出する必要があります。提出期限となる315日までに未提出であった場合には、過少申告加算税等が5%加重されるなどのペナルティーも課されます。

仮装通貨が国外財産に該当するか否かについては、保管されている場所ではなく、仮装通貨を有する者の住所で判定することになります。そのため、海外の仮装通貨取引所の口座等で仮装通貨を保管する場合であっても、財産を有する者の住所で判定することになりますので、居住者が有する仮装通貨は国外財産には該当しないため、国外財産調書への記載は不要となります。※財産所在の判定の詳細については、国税庁「国外財産調書の提出制度(FAQ)」を参照。

 

◆財産債務調書は対象

 一方、財産債務調書には、提出を求められる者(その年分の所得が2,000万円を超え、かつ、合計3億円以上の財産等を有する者)については仮装通貨に係る記載も必要となります。財産債務調書は、国外財産調書とは異なり、国外財産に該当しない財産も記載の対象となりますので、財産債務調書の提出が求められる者が仮装通貨を保有している場合には、その仮装通貨の種類や価格等を記載しなければなりません。一夜で半値となるなど価格が1日で大きく変動しますが、取引を行っている市場の1231日時点における取引価格などを合理的な方法で算出し記載する必要があります。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『生産性』 (ダイヤモンド社/伊賀泰代)

                                                   三谷 典久

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 最近メディアでは「働き方改革」が注目を集めています。人手確保のために働き方改革で労働環境を改善しようという企業は多く、働き方改革を既に実施している企業は53.8%に上ります。

本書は「働き方改革」の最大の目的は「生産性を上げること」であり、生産性を高める方法が書かれています。資料や会議方法などの具体例が分かりやすく書かれてあり、管理職の方だけではなく、新入社員の方も仕事効率の基礎が学べる内容となっています。

 どんな職業の方にも通ずるものがあり、生産性を高めるためにはどのように取り組んでいくべきかを考える参考になりました。

 

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5.-セミナーのご案内-

 

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下記の通り「平成30年度税制改正の実務ポイント」(主催 税務研究会中部支局)を開催致します。

 ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

             記

・日  時  平成30年4月26日(木) 

       13時30分~16時30分

 

・講  師  税理士法人アズール代表社員

       公認会計士 税理士 長谷川 敏也

 

・会  場  税理士会ビル2F(名古屋市千種区覚王山8-14)

 

・参 加 費  顧問先様 無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。

 

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☆★TIMELY@Azure 第62号★☆

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                                   平成30年1月15日
                                   税理士法人 アズール
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税務にもICT化の波

       代表社員 長谷川 敏也
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 新年に当たり、経済関係ニュースの中で突出して多い話題に、IoT、AIがありますが、税務の世界でも電子化の動きは急速に進展しています。

平成30年度税制改正大綱では、「近年、経済社会のICT(Information and Communication Technology)化が急速に進展している。ICTは、生産性の高い経済社会を構築するとともに、国民の利便性や行政の効率性を高めるために重要なツールであり、税務分野においてもその積極的な活用が必要である。こうした観点から、税務手続の電子化等を一層推進し、電子申告・納税等の拡充を進める。」と宣言しています。

具体的にいくつかご紹介します。

(1)法人税等の申告書の電子申告の義務化

大法人(資本金が1億円を超える法人等)の法人税等の申告は電子申告(e-Tax)が義務化されます。申告書の添付書類の提出については、電子又は光ディスク等を提出する方法により提供しなければなりません(つまり紙ベースの提出は不可)。当事務所では原則100%、電子申告を代理送信にて行っています。

なお、大法人が、サイバー攻撃、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子申告が困難であると認められる場合においては、税務署長の承認を受けて、書面により申告書を提出することができます。

これらの改正は平成32 年4月1日以後に開始する事業年度について適用されます。

一方、法人税等の申告書における代表者及び経理責任者等の自署押印制度を廃止することにもなっていますが、これは、法案成立後速やかに施行される見込みです。

その他法人税等の申告手続について、別表、財務諸表及び勘定科目内訳明細書に係るデータ形式の柔軟化、勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化等を図り、かつ電子情報処理組織の送信容量の拡大など、運用上の対応を行うことにもなっています。

 

(2)法定調書や所得税の年末調整手続の電子化

支払調書等の電子又は光ディスク等による提出義務の対象となるかどうかの判定基準となる、その年の前々年に提出すべきであった支払調書等の枚数を100 枚以上(現行:1,000 枚以上)に引き下げ、平成33 年1月1日以後に提出すべき支払調書等について適用されます。

サラリーマン本人が、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除に係る年末調整手続において、控除証明書や年末残高証明書が電子化され、合わせて会社へも申告書等を電子で提出できるようになります。

年末調整事務が大幅に電子化され経理事務作業の生産性が向上することが期待できます。これも平成33年からスタートの予定です。

 

(3)共通電子納税システム(共同収納)の導入

これまでばらばらに納税せざるを得なかった地方税の電子納税について、安全かつ安定的な運営を担保するために必要な措置を講じつつ、全地方公共団体が共同で収納を行う仕組みが整備されます。

事務の効率化の観点から歓迎すべき措置です。

 

(4)青色申告特別控除の控除額の見直し

確定申告の電子化を推進するため、青色申告特別控除の控除額が原則65 万円から原則55 万円に引き下げられ、所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等を、電子申告(e-Tax)を使用して行っている場合等のみ、これまで通りの65 万円の控除を受けることができます。当事務所では原則100%、電子申告を代理送信にて行っています。

この見直しは、平成32 年分以後の所得税について適用されます。

 

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相続税ミニコラム-教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税-

     江藤 真実
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 平成2541日からスタートしたこの制度も平成311231日までと期限が迫ってまいりました。この間金融機関から相続対策として勧められた方もいらっしゃると思いますが、あらためてご紹介します。

 

≪制度概要≫

30歳未満の直系の子孫に1,500万円(塾、習い事など学校等の教育機関以外の支払いは500万円)まで教育のための資金を非課税で贈与できるものです。受贈者が30歳に達したときに教育資金として使い切っていなければ残額に贈与税が課されます。受贈者が亡くなった場合には相続財産に加算されません。

 

≪教育資金とは≫

1)学校等に対して直接支払われるもの

入学金、授業料、学用品購入費、修学旅行、給食費、入学試験検定料など

2)学校等以外に対して支払われるもの

習い事の授業料、必要な物品購入、通学定期代、留学渡航費、入学、転入学に伴う転居費用など

 

≪適用を受けるための手続≫

教育資金口座の開設を行い、預金の預け入れ等をする日までに口座開設を行った金融機関を経由して税務署に教育資金非課税申告書を提出します。金融機関が行うので、税務署で個人が行う手続きはありません。

 

≪資金払い出しの手続き≫

教育資金口座の開設時に選択した払出方法により、以下の期限までに金融機関に領収書を提出する必要があります。

1)教育資金を支払った後に払い出す方法を選択した場合

領収書に記載された支払年月日から1年以内

2(1)以外の払出す方法を選択した場合

領収書に記載された支払年月日の属する年の翌年315

 

使い道は教育資金に限定され、領収書の提出など手続きにひと手間かかる制度です。平成2910月号のメールマガジンでお伝えした通り、これまでもその都度受ける教育資金については贈与税のかからない財産でした。この制度を適用すると先行して一括で多額の贈与を受けられ、通常の贈与と違い、相続発生前3年内贈与の相続財産への加算も必要ありません。暦年贈与の110万円非課税と併用して受けることもできます。したがって、場合によっては手間を上回るメリットがあるかもしれません。

 

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☆★TIMELY@Azure 第61号★☆

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                                    平成30年1月5日
                                    税理士法人 アズール
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 新年明けまして、おめでとうございます。

近年の大晦日はカウントダウンを聞く前に寝てしまい、気が付いたら新年の朝を迎えていることが多く、勿体ないなと感じていましたが、今年は家族とカウントダウンを一緒にすることができました。

初詣で引いたおみくじでは大吉を引き、幸先良いスタートを切ることができそうです。

    玉岡 映子

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今月のINDEX

1.-平成30年度税制改正の背景-

2.-国税庁「仮想通貨に関する所得の計算方法等」を公表-

3.FPの窓 -平成30年度税制改正大綱 決定!

4.-スタッフの読んだ1冊-

『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』 

(さんきゅう倉田/総合法令出版株式会社)

 

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1.-平成30年度税制改正の背景-

                                  代表社員 長谷川 敏也

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謹賀新年

 

 毎年この時期は税制改正の大綱が公表され、その冒頭で、背景としての現下の経済情勢及び当面の施策を、政府が整理して記述しています。そこで、平成30年度税制改正大綱の背景を紹介します。

 

★安倍内閣は5年間継続

 安倍内閣は5年間継続したわけですが、その5年間を、「デフレ脱却と経済再生を最重要課題として取り組んできた。雇用は200 万人近く増加し、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて1倍を超え、賃金も2%程度の賃上げが4年連続で実現するなど、雇用・所得環境は大きく改善している。」と総括しています。好調な中小企業はもちろん数多くありますが、経営者マインドはそこまで楽観的ではありません。

 

★保守政治家が乱発する「革命」

安倍内閣は、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、「生産性革命」と「人づくり革命」を断行することとしています。また、人生100 年時代を見据え、「誰もが生きがいを感じられる『一億総活躍社会』を作り上げる必要がある。」と勇ましいです。

 

★これで「働き方改革」と言えるのか

税制面においては、働き方の多様化を踏まえ、「働き方改革」を後押しする観点から、個人所得課税について、「給与所得控除・公的年金等控除の制度の見直しを図りつつ、一部を基礎控除に振り替えるなどの対応を行う。」となります。しかし、実態は、モノを言わない高額サラリーマン狙い撃ちの小手先の増税となっているだけで、「働き方改革」というにはほど遠い内容になっています。

 

★法人税改正

法人税改正では、「賃上げ・生産性向上のための税制上の措置」が講じられます。大企業では3%の賃上げプラス設備投資を条件に、中小企業では1.5%の賃上げを条件に税額控除を拡充します。さらに人材育成のために教育訓練費を増額した企業にはさらに恩典を与えることとしています。また、中小企業の代替わりを促進するため、事業承継税制が10 年間の特例措置として抜本的に拡充されます。これらは有効に活用していきましょう。

 

★新税登場

観光立国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図る観点から、観光促進のための税として国際観光旅客税(仮称)が創設されます。平成3117日以後に、日本からの出国時に1人1回1,000円が徴収される新税の誕生です。さらに、平成31 年度税制改正において、森林環境税(仮称)が創設されます。こちらも一人年間1000円です。

 

★税務手続の電子化等の推進

経済社会のICT化が進展する中、税務手続においても、ICTの活用を推進する立場から、法人税等に係る申告データを円滑に電子提出できるよう環境整備を進めるとともに、大法人については法人税等の電子申告を義務化し、法定調書や所得税の年末調整手続についても、一層の電子化に向けた措置を講ぜられる予定です。そして吉報は、地方税の電子納税について、全地方公共団体が共同で収納を行う仕組みを整備する、とのこと。経理マンは少しだけ楽になりそうです。

 

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2.-国税庁「仮想通貨に関する所得の計算方法等」を公表-

                                        阿原 拓哉

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国税庁は平成29121日に「仮想通貨に関する所得の計算方法等」を公表しました。これは同年9月に公表されたタックスアンサー「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」を補足するものです。

 

 所得の計算方法等の補足内容は以下のとおりです。

 

1.仮想通貨を売却した際の所得の計算方法

    所得金額 = 売却価格仮想通貨の取得原価

 

2.商品を購入する際に仮想通貨で決済した場合の所得の計算方法

   所得金額 = 商品価格 — 仮想通貨の取得原価

 

3.保有する仮想通貨を使用して他の仮想通貨を購入する場合の所得の計算方法

    所得金額 = 他の仮想通貨の時価 — 保有する仮想通貨の取得原価

 

4.仮想通貨の取得原価

 同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合、移動平均法を用いるのが相当ですが、継続して適用すれば総平均法を用いることも可能です。

移動平均法とは、棚卸資産を受け入れるたびに、その時点における受入資産と在庫資産の平均原価を算出し、この平均をもって商品の払出単価および在庫資産の価格を算定する方法です。

総平均法とは、一定期間ごとに取得した棚卸資産の平均原価を算出し、この平均原価によって商品の払出単価および在庫資産の価格を算定する方法です。

 

5.仮想通貨の分裂した場合の所得について

 平成298月にビットコインから新たな仮想通貨のビットコインキャッシュが分裂したように仮想通貨は分裂することがあります。

 所得税法上、経済価値のあるものを取得した場合、取得時点における時価を基に所得金額を計算しますが、仮想通貨の分裂に伴い新たな仮想通貨を取得した場合、分裂時点においては時価がないため、取得価格はゼロとなります。その場合、新たな通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。

 

6.仮想通貨に関する所得の区分

  仮想通貨を使用することによる損益は原則、雑所得となりますが、事業所得等の各種の基因となる行為に付随して生じる場合、雑所得となりません。

所得税法上、損益通算できる所得は不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得であり、雑所得はこれらの所得に該当しないため、仮想通貨の取引により生じた損失は損益通算を行うことはできません。

 

7.仮想通貨の証拠金取引による所得

 仮想通貨の証拠金取引による所得については申告分離課税の適用ではなく、総合課税を適用して申告します。

 

 

※年末調整済みの給与所得を有する方で、仮想通貨の売却又は使用による所得が20万円以下の方については、その他の所得がない場合、確定申告は不要です。

 

計算方法に伴う詳細は下記ホームページをご覧下さい。

 

国税庁:仮想通貨に関する所得の計算方法等について(PDF

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf

 

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3.FPの窓 -平成30年度税制改正大綱 決定!-

                                      長谷川 裕美

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平成291214日に平成30年度税制改正大綱が決定しました。主な改正内容は以下のとおりです。

○法人課税

 中小企業者等の所得拡大促進税制の拡充(平成3041日から平成33331日までの間に開始する各事業年度)


・現行

要件:1.給与等支給総額が対基準年度比で3%以上増加

   2.給与等支給総額が前年度以上

   3.平均給与等支給額が前年度を上回る

税額控除:給与等支給総額の対基準年度増加額の1020%の税額控除

 

・改正後

要件:1.給与等支給総額が前年度以上

   2.平均給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加

   ※基準年度との比較要件は撤廃

税額控除:給与等支給総額の対前年度増加額の15%の税額控除

     一定の要件(教育訓練費が対前年度比10%以上増加等)を満たす場合は25%の税額控除

 

○個人所得課税 -平成32年分以降の所得税適用-

・給与所得控除の見直し

1.控除額を一律10万円引き下げる。

2.給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円、その上限額を195万円に引き下

  げる。      

・基礎控除の見直し

 控除額を一律10万円引き上げる(現行38万円→48万円)。合計所得金額が2,400万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円超は基礎控除の適用なし。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』 

(さんきゅう倉田/総合法令出版株式会社)

     松浦 文彦

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書店で題名の元国税局芸人というインパクトに引かれて読んでみました。著書は、国税局では主に法人の税務調査を担当していたようです。

本書は法人経営者や個人事業主向けというよりは、会社員向けに書かれています。税についての基本的なことから、年末調整と確定申告の違いや相続税、贈与税についてまで、色々な漫画の事例に当てはめて解説しています。私は漫画が好きなので分かりやすい事例で読みやすいと思いましたが、漫画に興味のない方は分かりにくいかもしれません。ただ、事例のあとに解説がありますので、そこを読めば納得できると思います。

税について知るという意味で、読みやすい本だと思います。

 

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☆★TIMELY@Azure 第60号★☆

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                                  平成29年12月18日
                                  税理士法人 アズール
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来年こそ事業承継税制の検討を

代表社員 長谷川 敏也
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 平成30年度税制改正において、中小企業の事業承継税制が拡充され、今度こそ活用できる制度に生まれ変わる予定です。

 

中小企業経営者の年齢分布のピークが60歳台半ばとなり、高齢化が急速に進展する中で、日本経済の基盤である中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上は、待ったなしの課題となっています。

こうした中で、事業承継税制について、10年間の特例措置として、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充が行われます。

具体的には、施行日後5年以内に承継計画を作成して贈与・相続による事業承継を行う場合、

1.猶予対象の株式の制限(発行済議決権株式総数の3分の2)を撤廃し、納税猶予割合80%を100%に引き上げることにより、贈与・相続時の納税負担が生じない制度とする。

2.雇用確保要件を弾力化する

3.2名又は3名の後継者に対する贈与・相続に対象を拡大する。

4.経営環境の変化に対応した減免制度を創設して将来の税負担に対する不安に対応する等の特例措置が講じられます。

また、中小企業の後継者難については、後継者のマッチングなどを支援し、あわせて、関係省庁において経営者の個人保証の適正化に向けた検討がなされる予定です。

 

 対象となる会社を特例認定承継会社と呼び、平成30年4月から5年間の間に都道府県に特例承継計画を提出しないとダメです。特例承継計画は会計事務所等の認定支援機関の指導・助言で作ることになります。

 代表者以外から取得する株式、つまり、複数の人から承継するのもOKになります。

 一番厄介だった「雇用確保要件」では、承継後5年間で平均8割の雇用維持要件があってネックになっていましたが、満たさない場合でも満たさない理由を提出すればなんとかなる(経営状況悪化の場合、認定支援機関から指導助言を受けて書類に内容記載すれば要件クリア)方向です。

 承継した会社を自分でやっていけなくなった場合、相当会社の価値が低くなっているので、承継時の税額が高く、納税できない場合があります。その場合には、経営環境変化を示す一定の要件、例えば、3年のうち2年以上赤字など困難な状況においては、承継は終わったけど払うべき税額を再計算して、減額・減免する、ということまでセットされています。

 平成30年1月から平成39年12月末までの間に贈与等により取得する財産が対象になります。

 

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相続税ミニコラム-平成30年度税制改正~一般社団法人を使った相続税の課税逃れ 対策強化へ-

     武友 正哉
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 不動産などの資産に相続税がかからない一般社団法人を使った課税逃れを防ぐため、来年度の税制改正で、役員の過半数を親族が占める法人の財産にはすべて相続税を課す改正が行われることとなります。相続税は土地や建物などの財産を相続した場合に課税されますが、現行の制度では一般社団法人に移した資産には相続税がかからない仕組みになっています。

 

平成20年の公益法人制度改革により、一般社団法人が登記のみで設立できることとなったため、一般社団法人等は、平成29年度時点で約51千法人まで増加しています。そのうち非営利型は約27千法人、非営利以外のその他は約24千法人となっています。

非営利型の一般社団法人等は、残余財産の分配ができなく、収益事業以外は法人税が非課税とされています。また、理事のうち親族割合が3分の1以下であることが要件とされています。これに対して非営利型以外のその他の一般社団法人等は、残余財産の分配が可能で、事業内容に制限がなく、株式会社と同様に法人税が課税され、また、理事のうち親族割合に関する制限は設けられていません。

 

このように一般社団法人が登記するだけで容易に設立できることとなったため、親が一般社団法人を設立して資産を移し、子や孫に法人の役員を継がせる方法で相続税を免れようとするケースが目立ってきているとのことです。

このため、政府・与党は来年度の税制改正で、一般社団法人を使った課税逃れの対策を強化する方針を固めました。具体的には法人の役員の過半数を親族が占めている場合には、法人の財産をすべて相続税の課税対象にするとしています。

この措置によって非営利以外のその他の約24千法人が見直しの対象となり、相続税が課税される法人は数千に上ると見られています。政府・与党は来年度の税制改正に盛り込み、早期の実施を目指す方針とのことです。

 

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☆★TIMELY@Azure 第59号★☆

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                                   平成29年12月1日
                                   税理士法人 アズール
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 先日、長久手のIKEAへ行きました。

祝日でしたが夕方4時頃に行くと、渋滞や入り口で並ぶことなく、すぐに中まで入ることができました。

店内は商品が実際の部屋のようにディスプレイされているため大変わかりやすく、また様々なコンセプトで作られた部屋は見ていて楽しかったです。

それほどじっくりは回ったつもりはなかったのですが、店内は広くて見終わるまでに1時間以上かかりました。

また改めてじっくり回りたいと思います。

     江口 創

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今月のINDEX

1.-贈与税の申告漏れの8割超が無申告事案-

2.-医療費控除と明細書-

3.FPの窓 -つみたてNISAとは?-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『あの会社はこうして潰れた』 (藤森徹/日本経済新聞出版社)

 

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1.-贈与税の申告漏れの8割超が無申告事案-

                                  代表社員 長谷川 敏也

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年末となり、今年の贈与について検討する時期となりましたが、くれぐれも申告漏れとならないようにご注意をいただきたいと思います。

 国税庁の発表では、「相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査時等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努め、無申告事案を中心に、積極的に贈与税の調査を実施している。」としています。

 私たちの経験でも、贈与税についての認識が薄い納税者の方を時々お見掛けします。

 

国税庁がまとめた2016事務年度の贈与税調査事績によると、3,722件(前事務年度比3.0%増)の実地調査が行われ、3,434件(同2.5%増)から1,918億円(同883.9%増)の申告漏れ課税価格を把握したとのこと。

 特徴的なのは、「申告漏れのうち80.3%が無申告事案だったが、その申告漏れ課税価格は全体の7.6%に過ぎない。」との発表です。

 つまりは、贈与額が少ないことから国税当局にはばれまいと高をくくって申告しない納税者がいかに多いかが浮き彫りになったといえます。申告漏れ財産をみると、全体の73.1%(2,725件)が「現金・預貯金等」で7割を超え、「有価証券」「土地」「家屋」を大きく上回っており、移動及び隠しやすい現金や名義預金としている預貯金を申告から除外するケースが多いと見られます。

 

 贈与税の申告漏れ事案の端緒は、相続税調査時の被相続人の預貯金等状況の確認等での場合が多いです。こんな事例も報告されています。

 「相続税調査の際、相続人Aから『被相続人から現金を贈与されたことがあるが、申告をしていなかったので期限後申告をしたい』との申し出があったケースでは、調査官から他に贈与がないかの確認を受けた相続人は『ない』と回答したが、被相続人名義の預金口座から不明出金があったことから相続人Aへの贈与税の調査が行われた。調査の結果、被相続人名義の預金口座からの不明出金については、相続人A名義の預金口座へ入金されている事実が把握され、相続人Aは、この預金も贈与税の申告対象となることを知りながら、税負担を少なくするため贈与の一部のみを調査官に話したことが明らかとなった。相続人Aに対しては、申告漏れ課税価格約3,000万円について追徴課税されている。」

 

私たち税理士事務所では、相続税の申告に当たり、相続人の方たちに生前贈与の有無をお聞きするのですが、お話しいただけることが少なく、いざ相続税の調査となってこんな事例にぶつかることもあるのです。

 

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2.-医療費控除と明細書-

                                        有村 透

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平成29年分の所得税確定申告から、医療費控除の適用を受ける場合には、医療費控除の明細書の添付が義務化されます。これに伴い医療費に係る領収書添付又は提示が不要となりますが、5年間の保管義務があります。

経過措置として、平成31年分の所得税確定申告までは、領収書の添付又は提示によることもできます。(平成19年分以後の所得税確定申告書の提出をe-Taxを利用して行う場合、医療費の領収書の記載内容を入力して送信することにより提出又は提示を省略することができます。)

 所轄税務署長は確定申告期限から5年間、医療費控除又はセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の領収書の提示又は提出を求めることができ、その求めがあったときは、納税者はそれらの領収書の提示又は提出をしなければなりません。

 

 医療費控除の明細書の記載事項は以下のとおりです。

・医療費控除の明細書

1.医療費通知に関する事項

2.医療費(1以外)の明細

3.控除額の計算

・セルフメディケーション税制の明細書

1.申告する方の健康の保持増進及び疾病の予防への取組(※)

2.特定一般用医薬品等購入費の明細

3.控除額の計算

※取組に要した費用は、控除対象となりません。

 医療費控除とその特例であるセルフメディケーション税制は、いずれか一方を選択して適用を受けることになります。

 

 なお、平成28年分の所得税の確定申告期限である平成29年3月15日以前に提出された平成28年分以前の所得税の還付申告に当たっては、従来どおり領収書の添付又は提示によることとされています。

 

詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。

平成29年分確定申告の医療費控除の提出書類の簡略化について

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/iryoukoujyo_meisai.pdf

医療費控除の明細書

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref1.pdf

セルフメディケーション税制の明細書

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref2.pdf

 

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3.FPの窓 -つみたてNISAとは?-

                                        安藤 仁江

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以前、「FPの窓」第128号でもお知らせいたしましたが、平成30年1月から「つみたてNISA」の運用が開始されることに伴い、金融庁は、他省庁・地方自治体や、さらには民間企業における普及も視野に、まずは同庁において、「職場つみたてNISA」の導入を決定しました。

「つみたてNISA」とは、家計の安定的な資産形成を支援する観点から、少額の積立・分散投資を促進するために創設されたもので、口座内で生じた配当及び譲渡益について非課税となる「少額投資非課税制度」です。「つみたてNISA」の特徴は以下のとおりです。

・20歳以上の居住者等が対象

・平成30年から平成49年の最長20年間、分配金・譲渡益が非課税

(売却損が生じる場合には、売却損はなかったものとみなされ、損益通算等も不可)

・口座開設可能期間(20年間)は、毎年40万円まで投資が可能

・投資対象商品は、積立・分散投資に適した一定の公募等株式投資信託に限定

(商品性について金融庁が定める要件を満たしたものに限る)

・「NISA」と「つみたてNISA」の併用は不可

 ただし、1年ごとにいずれか一方を選択することは可能

 

職場積立NISAと職場つみたてNISA

「職場積立NISA」とは、職場における福利厚生等を目的として、給与及び賞与等から天引き等により定期的かつ定額、または賞与からの天引きにより臨時に拠出した資金等を、NISA取扱業者が選定した金融商品(職場積立NISA対象商品)に投資するしくみをいいます。

「職場つみたてNISA」とは、従来から行われていた「職場積立NISA」を一般のNISA口座ではなく、「つみたてNISA」口座を利用して行う制度であり、定期的かつ定額の投資を行うという「つみたてNISA」の趣旨より、賞与等からの天引きにより臨時に拠出した資金等を投資することはできません。

同制度を利用するにあたり、まずは職場が取扱金融機関の募集・選定を行う必要があり、さらには「職場つみたてNISA」に係る利用規約、その他必要な労使間の契約の整備を行う必要があります。

NISA推進・連絡協議会の統計によれば、「職場積立NISA」を導入する企業は、平成29年6月末時点で延べ6,002社、積立金額の合計額も同時点において8億9,108万円となっており、導入する企業が増加する傾向にあります。皆様の職場でも、導入を検討されてはいかがでしょうか。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『あの会社はこうして潰れた』 (藤森徹/日本経済新聞出版社)

山本 祐子

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最近、大企業の不祥事問題が続出しており、一流とよばれる企業も倒産の危機にさらされています。なぜ企業は倒産してしまうのだろうか、書店でたまたま目に入ったものが今回紹介させていただく書籍になります。

本書は元々、日本経済新聞の電子版で掲載されていた「企業信用調査マンの目」というコラムをまとめたものであるので、一つ一つの事例については詳細には書かれてはいませんが、数多くの倒産企業についての事例が掲載されており、潰れる会社の傾向というものをとらえることができます。

 成功している企業の真似というのは簡単にはできませんが、失敗した企業の経験は参考にしやすく、早い段階でのリスク回避の対策ができるのではないでしょうか。とても読みやすい書籍なので一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

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☆★TIMELY@Azure 第58号★☆

☆★TIMELY@Azure 第58号★☆

                        平成29年11月16日
                        税理士法人 アズール
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年金控除、富裕層縮小か

                                  代表社員 長谷川 敏也
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 現在、政府税制調査会、自民党税制調査会はともに、年末に公表される税制改正大綱に向けて、公的年金等控除と給与所得控除の両方で、富裕層増税議論を進めています。

 

年金課税は、拠出段階で社会保険料が控除され、公的年金としてもらう段階でも手厚い公的年金等控除が受けられ、そもそも「ダブル控除」と言われています。

働く高齢者が増え、高額な給与や役員報酬をもらいながら年金を受け取ると、公的年金等控除については限度額がないことに加え、給与所得控除と公的年金等控除を併用することになるので、控除の「二重取り」となり、所得再分配機能が弱まっているのではないかという論調です。

例えば、65才以上で年金額が360万円の場合、公的年金控除額は、127万5千円となり、 課税対象となる年金額は、232万5千円となります。また同じ人が、給与収入1,000万円の場合、給与所得控除は220万円となり、課税対象となる給与所得は780万円です。二つの控除額の合計は、347万5千円です。

公的年金等控除は手厚く、世代間格差の是正を阻んでいるという指摘はかねてからなされています。全世代型の社会保障制度を導入するにあたっては、負担も全世代でどのように賄っていくかという議論が必要で、公的年金等控除についても、ある程度の所得のある豊かな高齢者の方には「応分の負担をしていただかざるを得ず」としています。

 

一方、富裕層にとって喜ばしいことに、日本株の上昇が加速しています。11月初旬の東京株式市場は、日経平均株価が大幅に値上がりして2万3,000円を超え、バブル崩壊後の最高値を更新。1992年1月以来、約26年ぶりの高値圏で推移している、と言いますから驚きです。中でも海外勢に「復活する日本企業」を印象付けたのがソニーとのことで、20年ぶりに営業最高益を更新する業績見通しとのこと。それ自体は喜ばしいことですが、日本国内で働くサラリーマンの給与収入がなかなか上がらない中での増税策には要注意です。

 

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相続税ミニコラム-負担付贈与をした場合の課税はどうなるか-

     伊藤 芳美
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 税務上の負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいい、贈与された財産の価額から負担額を控除した価額に相当する財産の贈与があったものとして贈与税が課税されることになっています。

例えば、

父が「自分の介護をすること」と「銀行借入金の残り(2,000万円)を引き継ぐ」という条件で、私に土地(時価5,000万円、相続税評価額3,500万円、取得価額3,000万円)を贈与してくれると言っています。

このような贈与が負担付贈与です。このケースの場合は、銀行借入金という債務を負うことが負担となり、贈与された財産の価額から控除して贈与税を計算します。なお、「介護をすること」という負担は、評価して金額を確定することができないので、税金を計算する場合において引くことはできません。

贈与された財産の価額は、その財産が土地や借地権などである場合及び家屋や構築物などである場合には、贈与の時における通常の取引価額に相当する金額(時価)によることになっていますので、上記のケースでは、贈与された財産である土地の時価5,000万円から借入金2,000万円を控除した残額に対し贈与税が課税されることになります。

かつては、財産の評価額として相続税評価額(上記のケースでは3,500万円)を使うことができたため、時価と相続税評価額の差を利用した相続税対策として負担付贈与が利用されていたようですが現在そのメリットはなくなっています。

 負担付贈与をした場合は、贈与者にも税負担が生じる可能性があるので注意が必要です。負担付贈与をすると、その負担相当額をもって資産を有償譲渡したものとされます。上記のケースでは、返済しなくてよくなった借入金2,000万円を譲渡収入として土地(3,000万円)を譲渡したことになります。このケースでは税金はかかりませんが、借入金が多く残っていて取得費を上回るような場合は譲渡所得税等が課税されることになります。

 このほか、税金計算上は考慮されない負担(上記のケースでは「介護すること」という義務)の存在や銀行借入金を引き継ぐ場合には当事者間の合意以外に銀行の同意が必要となる点、登記費用や不動産取得税の面でも負担付贈与の方が相続より不利になる点にも注意が必要です。

 以上のように負担付贈与は、相続税対策としての効果が少なくなり、デメリットも目立ちますが、相続が発生する前に財産の利用を開始できることや、生前に財産の所有者を確定しておけるというメリットもあります。負担付贈与を利用する場合は、これらのメリットデメリットを十分理解した上で行う必要があります。

 

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-セミナーのご案内-

 

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 下記の通り民法改正に関するセミナーを開催致します。ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

            記

・タイトル  120年ぶりの民法大改正が国民・中小企業に与える影響

 

・日  時  平成29年12月14日(木) 

       14時00分~16時30分

 

・講  師  成田・長谷川法律事務所

       弁護士 塩澤 将宏 先生

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       名古屋市中区栄三丁目1533

 

・参 加 費  無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。 

 

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☆★TIMELY@Azure 第57号★☆

☆★TIMELY@Azure 第57号★☆

                                   平成29年11月1日
                                   税理士法人 アズール
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 みなさん、善光寺のお戒壇巡りをご存じでしょうか。

お戒壇巡りは全国各地のお寺にもあるようですが、信州善光寺のお戒壇巡りが日本で最も有名だと言われています。

 瑠璃檀下の真っ暗な回廊をめぐり、ご本尊様の下にかかる極楽の錠前に触れてご本尊様と結縁を果たすための道場で、その距離は約45メートルありますが、真っ暗闇であるため、相当長く感じられます。善光寺のお戒壇巡りは「お怪談巡り」と囁かれるほど、スリル感やドキドキ感を体験できると評判です。

 みなさんも一度お戒壇巡りを体験されてはいかがでしょうか。

    安藤 仁江

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今月のINDEX

1.-捨てられる土地-

2.-平成30年分給与所得者の扶養控除等申告書の確定様式が公表されました-

3.FPの窓 -不動産取得税の非課税措置と軽減措置-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『終わった人』 (内館牧子/講談社)

5.セミナーのご案内

 

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1.-捨てられる土地-

                                 代表社員 長谷川 敏也

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相続税の申告業務で頻繁に扱うのが不動産の相続登記の問題です。税理士事務所としては、必ず実行してください、と司法書士さんを紹介するのですが、世の中では未登記が頻発していることが報道されています。

 

相続未登記などで所有者が分からなくなっている可能性のある土地について、「経済損失が年間1800億円にのぼるとの推計を、有識者でつくる所有者不明土地問題研究会(座長・増田寛也元総務相)が26日、発表した。年内にも政府に対策案を提言する。」「研究会は、所有者不明の土地が2016年時点で九州より広い約410万ヘクタールに達するとの推計を6月に公表。」さらには、2040年には約720万ヘクタール(北海道本島の9割の面積)に達するというから驚きです。

 所有者が分からないことで、公共事業のために取得する際に手間がかかったり、民間の都市開発の妨げになったりするなどさまざまな問題が起きています。

 

そもそも、相続登記は任意のため、こうした状態自体は違法ではありません。任意の相続登記を相続人が行うか、また、いつ行うかは、個人の事情に依存します。登記は何のためにしなければならないのでしょうか。それは、万人に対して「この不動産は自分の所有物」と証明するためです。登記を怠っても所有者に罰則はありません。

登録免許税の負担、司法書士さんへの登記に関する手数料の支払い、また、その段取りなどのコスト、将来の固定資産税の負担を考えて、「山林・農地はもらっても負担になるばかりなのでいらない」と相続人間で押し付け合いの状態が起こります。また、「宅地だけ登記して山林はいらないので登記しなくていい」などと言い出す相続人もよくお目にかかります。

 

「登記しない地権者、ツケを払う次世代」とならないよう、地権者には登記を義務化し、税負担や手数料を軽減させる政策が必要だと思います。

 

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2.-平成30年分給与所得者の扶養控除等申告書の確定様式が公表されました-

                                        浅井 友哉

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TIMELY@アズール 第53号」でもお伝えした通り、平成29年度税制改正に伴う配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しを踏まえ、「平成30年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」など各種様式変更後の確定版が925日に国税庁HPにて公表されました。

 

平成30年分から「源泉控除対象配偶者(合計所得金額が900万円以下である者の配偶者で合計所得金額が85万円以下(給与収入が150万円以下))」に該当する場合には、月々の源泉徴収の対象となるため、平成3011日以降の最初の給与等の支払いを受ける日の前日までに給与等の支払者に「平成30年分給与所得者の扶養控除等申告書」を提出する必要があります。

上記の「源泉控除対象配偶者」以外の配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、その年の年末調整までに「給与所得者の配偶者控除等申告書(平成30年以後保険料控除申告書との兼用様式を廃止)」を提出することで適用を受けることとなります。

 

 

各種様式の主な変更点は以下の通りです。

・「給与所得者の扶養控除等申告書」

 →控除対象配偶者を源泉控除対象配偶者等に変更

 →源泉控除対象配偶者と同一生計配偶者の定義を追加

・「公的年金等の受給者の扶養控除等申告書」

 →「給与所得者の扶養控除等申告書」と同様

・「従たる給与についての扶養控除等申告書」

 →控除対象配偶者を源泉控除対象配偶者に変更

 

なお、「平成30年分給与所得者の配偶者控除等申告書」は、平成2912月頃に確定様式が公表される予定です。

 

 

各種様式につきましては、以下国税庁HPをご参照下さい。

「平成29年分 年末調整のしかた」

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2017/01.htm

「平成29年分 年末調整のための各種書式」

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/mokuji.htm

「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm

 

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3.FPの窓 -不動産取得税の非課税措置と軽減措置-

                                武友 正哉

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不動産取得税とは?

例えば、法人税、所得税、相続税など税金にはたくさんの種類があります。不動産取得税とは、その名のとおり土地や建物等の不動産を取得した際に、その不動産が所在する都道府県に支払う地方税です。この不動産の取得とは、売買によるものだけではなく、家屋の建築、増改築、交換、贈与、寄付なども含まれており、有償・無償を問いません。

不動産を取得した場合は、原則として、所轄の県税事務所へ申告することとなっていますが、実際には、申告しなくても法務局へ登記申請すると、その情報を基に、所轄の県税事務所の担当者が計算し自動的に納税通知書が送られてくる仕組みになっています。

納める税額は、取得した価格の時価に3%(例外もあり)の税率を乗じた金額となっています。なお、不動産の価格は、適正な時価とされており実際の購入価格そのものではなく、市町村の固定資産台帳に登録されている価格等となります。ただし、この不動産取得税には様々な非課税措置や軽減措置の特例があります。


◆主な非課税措置

・相続による不動産の取得

・社会福祉法人・学校法人・宗教法人などが本来の業務に用いる不動産の取得(医療法人の場合は非課税とはなりません)

・土地改良事業、土地区画整理事業の施行に伴う換地の取得など


◆主な軽減措置

・住宅及び住宅用の敷地の取得

・公共事業のために不動産を収用された場合


別荘は不動産取得税にいう「住宅」にはあたりません。ただし、週末に居住するため郊外等に取得するもの、遠距離通勤者が平日に居住するために職場の近くに取得するもの等で、毎月1日以上居住するものは「住宅」にあたります。

なお、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税は非課税となりますが、不動産取得税や登録免許税は通常の贈与と同様にかかりますので注意が必要です。

 

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4.-スタッフの読んだ1冊-

『終わった人』    (内館牧子/講談社)

     長谷川 裕美

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この本を初めて書店で見かけたときは、題名に惹かれて手にとったものの、帯に「定年小説」とあったために、私にはまだ早いかなと思い棚に返しました。それから、書店に行くたびに気になるものの購入を先延ばしにしておりましたが、あまりに気になるので先日購入し早速読んでみると、冒頭の「定年って生前葬だな。」からストーリー展開の巧みさに引き込まれていきました。

 主人公が、大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えるところから始まり、仕事一筋から新たな生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続けながら再生を図ろうとする物語です。定年退職によりサラリーマンとしては「終わった人」であるかもしれないが、人生はまだ続き終われないことがどういうことなのかを考えることで、今をどう生きるか考えさせられる一冊です。

 早く定年退職してのんびりしたいと思っている人がこの本を読むと、その気持ちが変わってしまうかもしれません…。

 

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-セミナーのご案内-

 

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 下記の通り民法改正に関するセミナーを開催致します。ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

            記

・タイトル  120年ぶりの民法大改正が国民・中小企業に与える影響

 

・日  時  平成29年12月14日(木) 

       14時00分~16時30分

 

・講  師  成田・長谷川法律事務所

       弁護士 塩澤 将宏 先生

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       名古屋市中区栄三丁目1533

 

・参 加 費  無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。 

 

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☆★TIMELY@Azure 第56号★☆

☆★TIMELY@Azure 第56号★☆

                                  平成29年10月16日
                                  税理士法人 アズール
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不動産賃貸借実務に及ぼす改正民法の影響に注意

      代表社員 長谷川 敏也
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 すでにご案内の通り、平成29年6月に改正民法が公布されました。実に120年ぶりの大改正であり、その施行までに3年間を置くほど重要な改正になっています。当事務所でも弁護士の先生をお迎えして、別途ご案内の通り、アズールシーズンセミナーを開催します。是非この機会にご参加ください。

 

さて、不動産賃貸借分野にも大きな影響があることをお聴きになっている方も多いと思います。具体的な不動産賃貸借実務の変更点や不動産賃貸借契約書(土地賃貸借契約書・建物賃貸借契約書)の変更方法について、どう対応すればよいでしょうか。

民法改正の内容は多岐にわたりますが、不動産賃貸借分野では、次の4つのポイントはおさえてください。

 

1.契約書の変更が必要?!連帯保証人についての極度額設定義務化について

まず、おさえておきたいポイントは、個人である連帯保証人について「極度額の設定が義務付けられた」という点です。これは土地賃貸借契約書や建物賃貸借契約書の雛形の変更が必要になる重要なポイントです。

具体的には、不動産賃貸借契約において連帯保証人を付けるときは、必ず、契約締結時に極度額(連帯保証人の責任限度額)を定めなければならないことになりました。極度額を定めていない連帯保証条項は無効、ということです。

問題は極度額をいくらに設定するかですが、極度額設定については特に法律上のルールはなく、家主と連帯保証人の間で合意した金額を自由に設定することになります。

 

2.連帯保証人への情報提供義務の新設について

事業用物件の不動産賃貸借契約で連帯保証人をつける場合は、賃借人から連帯保証人に賃借人の財産状況等を情報提供することが義務付けられました。

これは連帯保証人の候補者に対して、連帯保証人を引き受けるにあたり、賃借人にどの程度の財産があるかを把握する機会を与えることで、連帯保証人を引き受けるかどうかについて十分な検討をさせようとするものです。

賃借人が連帯保証人への情報提供義務を果たしていない場合、家主としても連帯保証人から連帯保証契約を取り消され、滞納家賃等を連帯保証人に請求できなくなるという重大な問題が起こりますので注意が必要です。

 

3.原状回復のルールの明確化

民法改正により、賃借人は通常損耗(通常の使用によって生じた傷みや経年劣化)については原状回復義務を負わないことが明記されました。

「通常の使用」に反する損傷が、賃借人の負担となりますが、例えば「イライラのあまり襖を蹴飛ばして穴をあけた」「うっかりタバコを落として畳を焦がした」などが該当します。

 

4.敷金の定義と返還時期の明確化

敷金とは、名目を問わず、滞納家賃や借主の故意・過失によって必要になった修繕費など、貸主に弁済しなければならない金銭債務に充てる目的で、借主が貸主に交付する金銭と定義されました。

敷金について、賃貸借契約が終了して明け渡しを受けたときに、家主は、敷金から賃借人の債務を差し引いた額を賃借人に返還しなければならないことが法律上、明記されました。

 

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相続税ミニコラム-贈与税のかからない財産とは-

     安藤 仁江
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 個人間で贈与があった場合、また贈与と同様の経済効果があった場合には、贈与税が課されます。しかし、贈与された財産の性質、社会生活および政策上の配慮などから、贈与税がかからないものがあります。

 

<扶養義務者からもらった生活費や教育費のための財産>

扶養義務のある人から生活費や教育費をもらった場合、それが通常必要と認められるもので、必要な都度、直接これらに充てるためのものであれば、贈与税はかかりません。

ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。

したがって、生活費や教育費などの名目でもらっても、それを預金したり、株式や不動産の購入に充てている場合には、贈与税がかかります。

なお、「扶養義務者」とは、配偶者、直系血族、兄弟姉妹、家裁の審判で扶養義務者となった者、三親等内の親族で生計を一にする者、をいいます。

 

<社交上の香典や贈答品>

個人から受ける香典、花輪代、お中元、お歳暮、お祝金、お見舞金などは、社交上必要なもので、社会通念上相当と認められるものについては、贈与税はかかりません。

 

<公益事業用の財産>

宗教、慈善、学術などの公益を目的とする事業を行う個人などが、贈与された財産で公益事業に使うことが確実と認められるものは、贈与税がかかりません。

 

<特定公益信託から交付される金品>

特定公益信託で学術を奨励するものとして財務大臣の指定するものから交付される金品、および、学生・生徒に対する学資の支給を行うことを目的とする特定公益信託から交付される金品については、贈与税はかかりません。

 

<心身障害者共済制度にもとづく給付金の受給権>

特定障害者が、特定障害者扶養信託契約によって信託の受益権者になったときは、そのうち6,000万円(特定障害者のうち特別障害者以外の者については3,000万円)までは贈与税がかかりません。

 

<離婚に際しての財産分与>

離婚による財産の分与は、財産分与請求権にもとづき支払われるもので、贈与により取得した財産ではないので贈与税はかかりません。

しかし、分与された財産が、婚姻期間中の夫婦の協力によって得た財産の額や、そのほかの一切の事情を考慮してもなお過大であると認められる場合や、離婚後、ごく短期間で復縁するなど離婚を手段とした税金の回避行為と認められる場合には、贈与税がかかります。

 

<債務免除や債務の肩代り>

債務免除等による利益を受けた場合であっても、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、債務の免除を受けた又は債務者の扶養義務者に債務の引受け又は弁済をしてもらったときは、その債務の弁済が困難である部分については、贈与税はかかりません。

 

<会社からの贈与財産>

贈与税は、個人から個人へ財産が移転した場合にかかります。

したがって、会社から個人が財産をもらった場合には、贈与税はかかりません。

ただし、財産をもらった個人には、所得税がかかります。

 

<相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産>

 相続や遺贈によって財産をもらった人が、被相続人からその相続があった年に、贈与によってもらった財産については、贈与税はかかりません。

 ただし、生前3年以内の贈与として、相続税がかかります。

 

<直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金>

 直系尊属(父母や祖父母など)からの贈与により、居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、贈与税はかかりません。

 

<直系尊属から一括贈与を受けた教育資金>

 個人が教育資金に充てるため、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与により取得した金銭等で一定の要件を満たすときは、1,500万円までは贈与税はかかりません。

 

<直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金>

 個人が結婚・子育て資金に充てるため、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与により取得した金銭等で一定の要件を満たすときは、1,000万円までは贈与税はかかりません。

 

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-セミナーのご案内-

 

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 下記の通り民法改正に関するセミナーを開催致します。ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

            記

・タイトル  120年ぶりの民法大改正が国民・中小企業に与える影響

 

・日  時  平成29年12月14日(木) 

       14時00分~16時30分

 

・講  師  成田・長谷川法律事務所

       弁護士 塩澤 将宏 先生

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       名古屋市中区栄三丁目1533

 

・参 加 費  無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。 

 

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☆★TIMELY@Azure 第55号★☆

☆★TIMELY@Azure 第55号★☆

                                   平成29年10月2日
                                   税理士法人 アズール

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 季節は秋となり、朝晩はひんやりして窓を開けたまま寝てしまうと風邪をひいてしまいそうです。

 10月に入ると紅葉シーズンに入り、山々も公園も木々は落葉の前に赤や黄色の葉で鮮やかに染まります。我が家にも観葉植物がありますが、すでに夏の終わりから緑から茶色の葉に染まり落葉を開始しました....紅葉であってほしいと願うばかりです。

    三谷 典久

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今月のINDEX

1.-大事業承継時代に対する税制の役割-

2.-フィンテック導入の経理業務への影響-

3.FPの窓 -医療費控除は領収書の提出が不要になる!-

4.-スタッフの読んだ1冊-

『決断力』 (羽生善治/角川oneテーマ21

5.セミナーのご案内

 

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1.-大事業承継時代に対する税制の役割-

                                  代表社員 長谷川 敏也

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今後5~10年間は、団塊世代の経営者が大量引退期を迎えます。

日本商工会議所は、「まさに『大事業承継時代』の到来であると同時に、世代交代によって新たなビジネスを生み出す意欲ある経営者の活躍を促すまたとないチャンス」ととらえ、一方で事業承継に対応した税制の改正を求めています。

相続税の基礎控除引き下げ等によっての課税対象が大幅に増加(愛知県における相続税課税対象者割合は、平成26年:8.1% ⇒平成27年:13.8% )する中、換金性のない非上場株式に課される過大な相続税負担のために、自社の株価対策に膨大な時間とエネルギーを費やさざるをえない中小企業経営者は少なくありません。

経営者が交代する際、非上場株式売却されことなく後継者に継承され、企業の経営実態がそれまでと何ら変わらないにも関わらず、多額の相続税・贈与税負担が課されることは適切ではありません。

人材が限られる中小企業においては、兄弟等で経営を行っている場合が少なくありません。また、優秀な従業員や社外の人材を経営陣として招へいする企業も増加しています。実際、東京商工会議所の調査では、後継者以外の兄弟・姉妹が自社に勤務している割合は3割強であり、約5割の企業において、後継者以外にも株式を承継させるとの調査結果となっています。

日本商工会議所は、「中小企業の事業承継の実態は多様であり、企業における経営人材の選定を税制で制限すべきではない。(事業承継税制における)先代経営者および後継者における代表者要件、筆頭株主要件は撤廃し、経営に関与する取締役等が事業承継税制の適用対象となることを検討すべきである。」と要望しています。

かつて、商法上、株式会社の発起人が7人以上必要とされた時代がありました。実質的な創業者以外の他の発起人が株式を分散保有している会社も多く、これらの株式を経営者が取得する場合、その非上場株式が高く評価され、買い戻しが極めて困難になっているのが現状です。また、先代経営者が社員に株式を贈与または額面価額で譲渡している場合や、株主の相続等で株式が分散している場合にも同様の問題が生じています。

日本商工会議所は、「分散した株式の集中化を図る場合に、特例的評価方式(配当還元方式)での買い取りを認めるとともに、発行会社が自社株式を買い取る場合の譲渡株主(個人)のみなし配当課税および譲渡者から残存株主へのみなし贈与課税の適用停止等の措置を講じる必要がある。」としています。

会社経営に関与していない株主であっても、同族株主に該当するがために株式の相続税評価が高額となり、その株主にかかる相続税の負担が重くなるほか、これら株主から発行会社やその経営陣が高額な相続税評価額による株式の買い取りを請求される等のトラブル事例も見受けられるため、早急に「同族株主」の範囲を縮小すべきである、との意見に大賛成です。

 現在、国政は総選挙一色ですが、この重要な税制改正テーマを早急に議論する場の再開が必要です。

 

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2.-フィンテック導入の経理業務への影響-

                                        山本 祐子

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近年、フィンテックに関する情報を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。

 フィンテックとは 「Finance(金融)」 と 「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、金融と人工知能(AI)などの情報技術を駆使した様々なサービスを指します。

サービスの領域は幅広く、預金、決済・送金、投資、融資、資産管理・運用、仮想通貨など、あらゆる事業に革新をもたらすことが期待されています。

 

フィンテックが発展した背景の一つに、2008年にアメリカで起きたリーマンショックがあります。リーマンショックによる株式市場の暴落によって、投資家を含む多くの人々は金融機関への不信感が高まり新しい金融サービスを求める動きが加速しました。

リーマンショックの影響で解雇された金融機関出身の優秀な人材がフィンテックのサービス開発分野に参画し、また同時期にスマートフォンとクラウドコンピューティングが急速に普及したことで金融システム全体を情報技術によって革新する動きが活発化しました。

 

フィンテックは、経理業務にも深く関わります。フィンテックを導入して得られる一番のメリットとしては、インターネットバンキングやクレジットカードの取引明細を自動的に会計システムに取り込むことができるようになり、経理入力の省力化や省略が可能になることです。

また、現在現金決済から電子決済へと決済におけるキャッシュレス化が急速に進んでいます。従来の経理業務では、現金の支払と証憑書類を照合させて入力するというプロセスを踏んでいましたが、完全にキャッシュレス化が達成されるとレシートや領収書情報も電子的に入手できるようになることで自動的に会計システムに取り込むことが可能となり、事務負担の軽減につながります。

 

フィンテック導入による入力業務の負担軽減は、会計事務所の業務時間の大幅な短縮にもつながります。業務の効率化により、節税対策や資金繰りの相談、相続対策、事業承継、組織再編等、付加価値の高いサービス提供の時間に集中することができるので、より一層顧問先の満足度の向上につなげることが期待できます。

 

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3.FPの窓 -医療費控除は領収書の提出が不要になる!-

                                       長谷川 裕美

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医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることをいいます。この医療費控除を受けるには、所得税の確定申告書に医療費の領収書を添付して税務署に提出するか、申告書を提出する際に領収書を提示する必要がありました。しかし、平成29年度税制改正により、平成29年分の確定申告からは、医療費の領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要になります。また、医療保険者から交付を受けた「医療費通知(医療費の額を通知する書類で、健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」など)」を添付することで、医療費控除の明細書の記載を省略することもできます。

経過措置として、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、今まで通り申告書に医療費の領収書を添付するか、申告書を提出する際に領収書を提示することも可能です。

 

()平成3011以前に確定申告書を提出する場合、及び平成3011日以後に平成28年分以前の確定申告書を提出する場合は、医療費の領収書を確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に領収書を提示する必要があります。


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4.-スタッフの読んだ1冊-

『決断力』  (羽生善治/角川oneテーマ21

      江口 創

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 将棋界のレジェンド羽生善治さんが対局時の体験をベースに、勝負に必要なファクターである決断力とそれに関連する内容ついて語っています。

決断に至るためには直感が大切であること、正しい直感力を身に着けるためには豊富な経験が必要であり、また直感的な閃きの要素として大事なものは集中力で、その集中力を生み出すにはどのようにすればいいのか、ということが将棋でのエピソードを通して語られており、我々の日々の生活にも十分生かせるものとなっております。

将棋に興味がある方は楽しく読むことができますし、そうでなくても非常に読みやすい内容になっています。

 

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-セミナーのご案内-

 

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 下記の通り民法改正に関するセミナーを開催致します。ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

            記

・タイトル  120年ぶりの民法大改正が国民・中小企業に与える影響

 

・日  時  平成29年12月14日(木) 

       14時00分~16時30分

 

・講  師  成田・長谷川法律事務所

       弁護士 塩澤 将宏 先生

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       名古屋市中区栄三丁目1533

 

・参 加 費  無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。 

 

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☆★TIMELY@Azure 第54号★☆

☆★TIMELY@Azure 第54号★☆

                                   平成29年9月15日
                                   税理士法人 アズール
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働き方改革の影響第1弾(配偶者特別控除の見直しの影響)

       代表社員 長谷川 敏也
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 平成29年度税制改正大綱で、政府は、

 

「『一億総活躍社会』を実現し、日本全体の成長力を底上げしていくためには、『働き方改革』『イノベーション』が両輪となる。多様な働き方が可能となるよう、社会の発想や制度を大きく転換することが求められている。税制においては、経済社会の構造変化を踏まえた個人所得課税改革の第一弾として、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しを行う。」

 

として、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しを行いました。つまり、「働き方改革」という文脈の中で「配偶者控除・配偶者特別控除の見直し」が行われたわけですが、これからの給与計算実務が変化しますので、ご注意ください。

 

この改正は、来年からスタートするのですが、早いところでは、今月より始まる平成29年分年末調整事務の際に、改正内容を周知し、かつ来年の年始までに「源泉控除対象配偶者」の届出をしてもらうように呼びかけをする必要があります。

 

つまり、平成29年度改正に伴い、年収の見込みが1,120万円以下のサラリーマンで、配偶者の給与収入見込みが年間150万円以下の場合には、「源泉控除対象配偶者」となり、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けることができます。このため、来年の1月の給与から、月々等の源泉徴収事務が変わることになる予定です。

給与等を支払う際に源泉徴収する税額計算に当たっては、扶養親族等の数を算定する必要があり、扶養親族等の数の算定に当たり、配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされたわけです。

 

ただ、本人の年収も、配偶者の年収見込み額も、あくまで「見積額」にすぎないため、年の途中で本人の賞与や残業代の増加により年収の見込み額が条件を超えてしまう場合には遡及是正を要するのか否か気になるところ。年の中途で判明した場合には、その後の給与計算の訂正は申請する必要がありそうですが、見積り誤りが判明した段階で年初にさかのぼって遡及是正を行う必要はありません。

 

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相続税ミニコラム-相続税における障害者に対する制度-

     三谷 典久
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 相続人の中に85歳未満で障害者がいる場合、相続税の額から一定の金額を差し引いて軽減する制度(以下「障害者控除」といいます。)があります。

 

障害者控除が受けられるのは、次の全てに当てはまる人です。

1.相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が一時

  居住被相続人や非居住被相続人である場合を除きます。) 

2.相続や遺贈で財産を取得した時に障害者である人

3.相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかった

  ものとした場合における相続人)であること

 

また障害者とは、次に掲げるような心身に障害のある人です。

1.精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人(特別障害者となります。)

2.精神保健指定医などにより知的障害者と判定された人(重度の知的障害者と判定された人は特別障

  害者となります。)

3.精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人(障害等級が1級と記載されている人は特別障害者

  となります。)

4.身体障害者手帳に身体障害者として記載されている人(障害の程度が1級又は2級と記載されてい

  る人は特別障害者となります。)

5.戦傷病者手帳の交付を受けている人(障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までと記

  載されている人は特別障害者となります。)

6.原子爆弾被爆者で厚生労働大臣の認定を受けている人(特別障害者となります。)

7.いつも病床についていて、複雑な介護を受けなければならない人(特別障害者となります。)

8.精神又は身体に障害のある65歳以上の人で、その障害の程度が1、2又は4に掲げる人に準ずるも

  のとして市町村長や福祉事務所長の認定を受けている人(1、2又は4に掲げる人のうち特別障害

  者となる人に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている人は特別障害者となります。)

 

なお、65歳以上の人で介護保険法の介護認定を受けた人については、一定の基準を満たせば上記8の市町村長等の認定を受けることができる可能性がありますので、市町村に適用の有無について確認していただく必要があります。

 

障害者控除の額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。)につき10万円で計算した額です。この場合、特別障害者の場合は1年につき20万円となります。

 

 この制度は、被相続人の死後に残された障害者の生活の安定を図る見地から、障害者であるがゆえに余分に生活経費等がかかることを考慮して、昭和47年度税制改正において創設されたものであり、その控除額はその後の改正により引き上げられてきました。

 平成25年度税制改正においては、20年以上据え置かれてきた控除額について、昭和63年以降の物価上昇率、今般の相続税の見直しによる負担増等を勘案して、平成2711日以後の相続等より10万円(特別障害者は20万円)に引き上げることとされました。

 

 また、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。この場合は、その引き切れない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

 

※扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。

 

 なお、その障害者が今回の相続以前の相続においても障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

 

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-セミナーのご案内-

 

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 下記の通り民法改正に関するセミナーを開催致します。ご多忙中とは存じますが、この機会に是非とも皆様のご参加をお待ちしております。

 

            記

・タイトル  120年ぶりの民法大改正が国民・中小企業に与える影響

 

・日  時  平成29年12月14日(木) 

       14時00分~16時30分

 

・講  師  成田・長谷川法律事務所

       弁護士 塩澤 将宏 先生

 

・会  場  栄ガスビル5階 栄ガスホール

       名古屋市中区栄三丁目1533

 

・参 加 費  無料

 

・お問い合わせ、お申込みは当法人までお電話またはFAXください。 

 

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