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相続税ミニコラム

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#117 戸籍証明書等の広域交付制度がスタート

令和6年3月1日から戸籍法の一部を改正する法律が施行され、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書等を請求できるようにする「戸籍証明書等の広域交付制度」がスタートしました。相続などの行政手続や各種申請手続での負担が軽減されることが見込まれます。


相続手続きにおいては、まず戸籍謄本の収集から始まります。被相続人については出生から死亡までの戸籍謄本を取得して、相続人が誰なのかを確定する必要がありますが、被相続人の本籍地に複数回異動があった場合には、複数の市区町村に個別に請求する必要があったため、かなりの時間と労力を要します。


この広域交付制度の利用により本籍地が遠方にある場合でも、自宅や勤務先の最寄りの市区町村の窓口でこれらの証明書を取得することが可能となり、また複数の本籍地がある場合でも、1か所の窓口でまとめて請求することができます。


この制度で請求できる方は、以下のとおりです。

・申請者本人

・配偶者

・直系尊属(父母、祖父母など)

・直系卑属(子、孫など)

(注)兄弟姉妹、代理人による請求はできません。また郵送での請求は認められません。


また対象となる証明書は以下のものとなります。

 ・戸籍全部事項証明書

 ・除籍全部事項証明書

 ・改製原戸籍謄本

 ・除籍謄本

 (注)戸(除)籍個人事項証明書、戸(除)籍一部事項証明書、戸籍の附票(戸籍の附票の除票)の写し、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍などは広域交付の対象外です。


 なお法務省からの通達により、全市区町村において、当面の間、本籍地市区町村以外の戸籍証明書の交付については、当面の間、本籍地市区町村への確認が必須となっているようです。このため日曜窓口実施日、他市区町村が閉庁している時間帯は、他市区町村の戸籍証明書の交付ができなかったり、通常の開庁時についても、本籍地への確認やシステム障害等により発行に時間がかかってしまうこともあるため、事前に請求する各市区町村のホームページをご確認ください。


参考:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html 

参考:名古屋市「本籍地が市外の戸籍証明書等を取得できるようになりました」

 https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000170488.html


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#116 兄弟姉妹が相続人となる場合

相続が発生したとき、相続人としてまず思い浮かべるのは配偶者・子・父母ではないでしょうか。しかし被相続人(亡くなった方)に配偶者や子がおらず、父母もすでに亡くなっている場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人となるケースがあります。

法定相続人は被相続人の配偶者と血族で、次のようにそれぞれ相続順位が決められています。なお、配偶者は常に相続人となります。

第一順位:子や孫など直系卑属

第二順位:父母や祖父母など直系尊属

第三順位:兄弟姉妹

兄弟姉妹の相続順位は、第三順位と血族の中では一番低い位置にあります。被相続人に子供がいる場合、その子供が法定相続人として遺産を受け継ぎます。このとき、たとえ被相続人に父母や兄弟姉妹がいたとしても、彼らには相続の権利はありません。また、被相続人に子供がいない場合には、その父母が次に相続人となります。兄弟姉妹が相続人となるのは、亡くなった人に子供も父母もいない場合だけです。


遺言が存在しない場合は、相続は民法が定める法定相続分に従って行われます。兄弟姉妹が法定相続人になる場合、その相続分は相続人の構成や人数によって異なります。

兄弟姉妹が法定相続人になるのは次の場合です。

(1)相続人が配偶者と兄弟姉妹だけの場合

被相続人に配偶者はいるが子はおらず、被相続人の父母・祖父母ともに亡くなっているときは配偶者と兄弟姉妹が法定相続人となります。この場合の法定相続分は次のとおりです。

配偶者 :財産の3/4

兄弟姉妹:財産の1/4

被相続人に配偶者がいる場合には兄弟の法定相続分は財産の1/4となり、1/4の財産をさらに残された兄弟姉妹の人数で分割することになります。残された兄弟姉妹が2人ならば、それぞれ1/8ずつ財産を相続する計算です。


(2)相続人が兄弟姉妹だけの場合

兄弟姉妹のみが相続人になるのは、被相続人に配偶者や子がおらず、被相続人の父母・祖父母がすでに亡くなっている場合です。この場合の法定相続分は、兄弟姉妹の人数で遺産を平等に分けます。

残された兄弟姉妹が2人なら1/2ずつ、3人なら1/3ずつ財産を相続する計算です。


兄弟姉妹が相続人となる場合にご注意いただきたいことは、兄弟姉妹には遺留分が認められていないことです。もし被相続人が遺言で全財産をある人に遺贈しても、兄弟姉妹は遺留分侵害額請求をすることはできません。

兄弟姉妹に遺留分はありませんが、代襲相続はあります。

代襲相続とは、本来相続人となるはずだった子または兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その者の子が代わりに財産を相続することです。

例えば、被相続人が独身で子もおらず、父母・祖父母ともに亡くなっている場合の相続人は兄弟姉妹です。しかし、兄弟姉妹もすでに亡くなっている場合には、兄弟姉妹の子(甥・姪)が代わりに財産を相続することになります。ただし、代襲相続は、甥や姪1代限りとなりますので、甥や姪の子が再代襲相続することはできません。


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#115 同一年に父からの贈与を精算時課税制度、母からの贈与を暦年贈与とすることの可否

贈与税には、暦年贈与と相続時精算課税制度の2種類の課税制度があり、相続時精算課税制度を選択すると暦年贈与には戻れないということは、ご存じの方が多いと思います。

 では、同一年に父からの贈与を精算時課税制度、母からの贈与を暦年贈与とすることは可能なのでしょうか?

 税務署に一定の書類を提出した場合には、相続時精算課税贈与を選択することができます。相続時精算課税制度を選択した場合には、その選択をした年以後、相続時精算課税制度に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分して、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を申告する必要があります。

 この相続時精算課税制度は「受贈者(子又は孫)が贈与者(父母又は祖父母)ごとに選択することができる」とされていますので、たとえば、父からの贈与については相続時精算課税制度を選択し、母からの贈与は暦年課税贈与を使うということも可能となっています。


 また、もし同じ年に父から相続時精算課税制度で贈与を受け、母から暦年課税贈与を受けていた場合に、暦年課税贈与の対象である母からの贈与額が基礎控除額110万円以下のときは、母からの贈与については申告する必要はないのでしょうか?

 これについては税法の規定より、父から贈与を受けた財産について相続時精算課税制度の適用を受けることから、母からの贈与は暦年贈与の基礎控除額以下であっても、暦年課税贈与で取得した財産も含めて申告する必要があるとされています。基礎控除額以下なので税額には影響しないことになりますが、忘れやすい部分になりますので注意が必要です。


 なお、暦年課税で複数の人から贈与を受けたときは、暦年課税の場合、贈与税はその年の1月1日から12月31日までの1年間に、贈与により取得した財産の価額の合計額から基礎控除額の110万円を控除した残りの額に対して課税されます。この場合の基礎控除額は、贈与をした人ごとではなく、贈与を受けた人ごとに1年間で110万円となります。

 したがって、1年間に複数の人から贈与を受けた場合、その贈与を受けた財産の価額の合計額から控除できる基礎控除額は贈与者の人数に関わらず110万円となります。

国税庁タックスアンサー No.4410 複数の人から贈与をうけたとき(暦年課税)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4410.htm


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#114 相続登記の義務化スタート

相続登記がされないこと等によって、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や公共工事の阻害など社会問題となっていました。

この問題を解決するため、これまで任意だった相続登記を義務化するよう法律改正が行われており、令和6年4月1日からいよいよ相続登記の義務化が始まります。

今回は、この相続登記の義務化のポイントについて再確認をしていきます。

3年以内に登記する必要がある

相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になります。

遺産分割の話し合いで、不動産を取得した場合も、別途、遺産分割から3年以内に登記をする必要があります。

◆罰則がある

 正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

◆住所変更にも注意

住所変更をした場合にも不動産登記が義務化され、2年以内に正当な理由なく手続きをしないと5万円以下の過料の対象となります。

◆法改正前に相続した資産も対象

令和6年4月1日より前に相続した不動産も、相続登記がされていないものは、義務化の対象になります。3年間の猶予措置があり、令和9年3月31日までに登記をする必要があります。

◆相続人申請登記という新たな制度ができた

早期に遺産分割をすることが困難な場合には、新たに作られた「相続人申告登記」という簡便な手続を法務局にとって義務を果たすこともできます。

相続人申告登記は、相続人の1人が単独で申告でき、添付書面も簡略化されています。

この相続人登記については、オンライン申請を認めるなどの省令改正が行われることが新たに決まり、4月1日の制度開始に向け、より登記しやすくなるように整備が進められています。

義務化スタートを目前にして、司法書士会が制度の周知を呼びかけるセミナーなども開催しているようです。不動産を相続した方、既に相続した不動産をお持ちの方は、早めに専門家に相談し、準備をしていく必要がありそうです。


法務省:不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~ 

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html


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#113 能登半島地震により被害を受けた場合の相続税等の税制上の措置

この度の令和6年能登半島地震により、被害を受けられた皆様方に心からお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。


 令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、特に石川県、富山県で大きな被害が出ており、政府は今回の地震による災害について「特定非常災害」に指定し、国税庁は石川県・富山県を「指定地域」としました。

 これまで特定非常災害に指定されたのは、阪神・淡路大震災(1995年)、平成16年新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(2011年)、平成28年熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)、令和元年台風第19号(2019年)、令和2年7月豪雨(2020年)で、令和6年能登半島地震(2024年)で8例目となります。


 今回の地震災害により被害を受けた場合には、相続税及び贈与税に関して次のような税制上の措置が講じられています。


1、特定非常災害に係る特例評価

◆特定非常災害発生日前に取得した財産評価

特定非常災害の発生日前に相続又は贈与により取得した特定土地等又は特定株式等でその特定非常災害発生日において所有していたものについては、その取得時の時価によらず特定非常災害の発生直後の価額により評価することができます。

(注)

特定非常災害・・・著しく異常かつ激甚な非常災害であって、その非常災害の被害者の行政上の権利利益に係る満了日の延長等の措置を講ずること 

         が特に必要と認められるものが発生した場合に指定

特定土地等・・・特定地域内にある土地等

特定株式等・・・株式等(上場株式等を除く)のうち、その取得時において特定地域内にあった動産等の価額が保有資産の合計額の10分の3以上であ

        る法人の株式等

※能登半島地震による災害に係る「特定地域」は、令和6年2月2日現在、石川県・富山県全域及び新潟県新潟市です。


◆特定非常災害発生日以後に取得した財産評価

 相続又は贈与により特定非常災害発生日以後同日の属する年の12月31日までの間に取得した特定土地等、特定非常災害発生日以後同日を含む特定株式等の発行法人の事業年度末日までの間に取得した特定株式等の価額は、特定非常災害の発生直後の価額に準じて評価することができます。

 なお令和6年中に相続又は贈与により取得した被災した家屋の価額は、その取得した家屋について被災後の現況に応じた固定資産税評価額が付されている場合には、令和6年度の固定資産税評価額に基づいて評価します。

   

2、災害減免法による減免

相続又は贈与により取得した財産について災害により被害を受けた場合で次のイ又はロのいずれかに該当するときは、相続税又は贈与税が減免されます。

イ、相続税又は贈与税の課税価格の計算の基礎となった財産の価額のうちに、被害を受けた部分の価額の占める割合が10分の1以上であること

ロ、相続税又は贈与税の課税価格の計算の基礎となった動産等の価額のうちに、動産等について被害を受けた部分の価額の占める割合が10分の1以上であること


◆申告期限前に災害により被害を受けた場合

 相続又は贈与により取得した財産の価額から、被害を受けた部分の価額を控除して課税価格を計算することになります。


◆申告期限後に災害により被害を受けた場合

 災害のあった日以後に納付すべき相続税又は贈与税で、その課税価格の計算の基礎となった財産の価額のうち、被害を受けた部分の価額に対応する相続税又は贈与税が免除されることになります。


3、相続税及び贈与税に係る申告・納付期限の延長

◆指定地域内に納税地を有する場合

 指定地域内に納税地を有する場合には、令和6年1月1日以降に到来する申告・納付期限が、別途国税庁告示により定める日まで自動的に延長されます。

 なお相続税は令和5年2月28日以降に相続等により財産を取得した場合、贈与税は令和5年1月1日以降に贈与により財産を取得した場合が対象となります。


◆指定地域以外に納税地を有する場合

 指定地域以外に納税地を有する場合であっても、令和6年能登半島地震により被災された方については、所轄税務署長に対して「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出してその承認を受けることにより、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲で申告・納付期限の延長を受けることができます。


◆特定土地等又は特定株式等を相続又は贈与により取得した場合

 特定非常災害発生日前に相続又は贈与により取得し、災害発生日に所有していた特定土地等又は特定株式等について上記1の特例評価の適用を受けることができる場合の相続税又は贈与税の申告・納付期限は、次のとおりとなります。

 なお相続税については、相続人等のうちに、特定非常災害に係る特例評価の適用を受けることができる場合には、その相続人等の全員の申告期限が次の期限まで延長されます。

 ・相続税:令和5年2月28日から12月31日に財産取得→令和6年11月1日

 ・贈与税:令和5年1月1日から12月31日に財産取得→令和6年11月1日


詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。

「令和6年能登半島地震により被災された納税者の相続税及び贈与税に係る申告・納付等の期限の延長について」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/pdf/0023001-073_01.pdf  

「令和6年能登半島地震により被害を受けられた方へ」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/pdf/0023001-073_04.pdf 

「相続税又は贈与税の災害減免措置について(令和6年能登半島地震用)」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/pdf/0023001-073_02.pdf


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#112 相続税・贈与税の令和6年度税制改正について

令和51214日に、与党より「令和6年度税制改正大綱」が発表されました。

 その中で、相続税・贈与税に影響がある内容についてご紹介します。

 

1. 事業承継税制 特例承継計画等の提出期限の延長

コロナの影響が長期化したことを踏まえ、事業承継税制の「承認計画の提出期限」が、法人版・個人版ともに令和8331日まで2年延長されます。(改正前は令和6331日)

 ただし、極めて異例の時限措置のため、適用期限は今後とも延長しないと税制改正大綱に明記されています。そのため、法人版事業承継税制の特例措置は令和91231日、個人版事業承継税制は令和101231日が適用期限となります。

 

 

2. 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長

 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、適用期限を令和812 31日まで3年延長されます。(改正前は令和51231日)

 ただし、省エネ等住宅の要件については、「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」と一部見直しがされます。(令和5年末までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅は現行と同じ「断熱等性能等級4以上」または「一次エネルギー消費量等級4以上」)

 

 そのほかに令和5年度改正で、令和611日から適用が開始されるものとして以下の項目があります。

 

1. マンション評価方法の見直し(相続税ミニコラム#107#106

 評価額を最低でも実勢価格の6割に引き上げる新しい評価方法の導入

 

2. 生前贈与加算の加算期間の延長(相続税ミニコラム#110

 相続開始前の加算期間が3年から7年に順次延長され、延長した4年間に受けた合計100万円までの贈与は相続財産に加算不要

(参照)「税理士法人アズールHP税制改正について」

https://www.azuretax.jp/library/5714af48f88093e32331e44e/6462020241636044123470ed.pdf) 

 

3. 相続時精算課税の基礎控除等の導入(相続税ミニコラム#102

 制度選択後の贈与のうち毎年110万円までは非課税とされ、受贈した土地・建物が災害による被害を受けた場合には相続時に被害部分を控除

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#111 連年贈与の注意点

生前の贈与することは、相続財産を減らすことができますので、相続税対策としての効果が増します。1年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税が課税されませんので、毎年110万円以下の金額を贈与されている方が大勢いらっしゃいます。

しかし、毎年同じ金額を贈与し続けると定期贈与とみなされ、年間の贈与額が110万円以下であっても贈与税が課税されてしまう場合がありますので注意が必要です。

「国税庁 タックスアンサーNo.4402 贈与税がかかる場合|国税庁 (nta.go.jp)

 定期贈与とは、毎年一定の金額を贈与することが決まっている贈与のことです。例えば、親から子や孫へ毎年100万円ずつ10年間贈与するという取り決めを行った場合には、民法上「定期の給付を目的とする贈与(定期贈与)」があったとみなされ、約束したその年に1,000万円(100万円×10年)に対する贈与税が課されてしまいます。そこで、連年贈与が定期贈与とみなされないようにするため、以下の対応を検討してみてください。

    毎年、基礎控除額を超える贈与を行い贈与税の申告納税をする

    毎年、贈与金額や贈与財産を変える

    毎年、贈与契約書を作成する

贈与が実際にあった証拠を残すことも重要ですので、現金の贈与ならば、必ず子や孫の銀行口座へ振り込む必要があります。さらに、子や孫の銀行口座の通帳やキャッシュカードは本人が管理することがポイントとなります。

また、現預金ではなく、法人の株式を後継者に贈与する場合には、贈与契約書を交わすことはもちろんのことですが、公証役場で「確定日付」をとったり、株主名簿、法人税申告書別表二などの更新も忘れずに行うようにしてください。

 

今月7日に行われたアズールシーズンセミナーや前号のメールマガジン相続税ミニコラムでもお伝えしたとおり、令和5年度税制改正により、令和61月以降の贈与分から生前贈与の加算期間が3年から7年に延長されることになりました。具体的には、令和91月以降順次延長され。加算期間が7年となるのは、令和131月以降となります。

 

セミナー第一部「駆け込み贈与は令和5年ラストイヤーか!?」レジュメ

657003dfb3215de078e14f3f.pdf (azuretax.jp)

前回相続税ミニコラム #110 令和5年末に向けた贈与の検討

相続税ミニコラム | 税理士法人アズール|名古屋 税理士・会計事務所 (azuretax.jp)

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#110 令和5年末に向けた贈与の検討

この相続税ミニコラムでも既にお伝えしておりますが、令和5年度税制改正おいて、相続税・贈与税に関する重要な改正が行われています。

今回は、新制度の適用を目前に控え、暦年課税に関する改正事項について再度確認していきたいと思います。

暦年課税とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計し、その合計額から基礎控除額110万円を差し引いた残りの金額に、税率を乗じて税額を計算する制度であり、今回の改正ポイントは次のとおりです。

(1)生前贈与の加算期間の見直し

現行の暦年課税では、相続開始(亡くなる)前3年以内に贈与した財産については、相続財産に加算して相続税を課税することになっています。

令和5年度改正では、この加算期間が現行の「3年」から「7年」に延長されました。対象になるのは、令和6年1月1日以降に行われる贈与です。加算期間の延長に伴い経過措置が設けられていますので、加算期間は随時延長されることになります。

具体的には、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に相続又は遺贈により財産を取得する者については、これまでと同様に相続開始前3年以内の贈与が加算対象となります。

令和9年1月1日から令和12年12月31日までの間に相続又は遺贈により財産を取得する者については、令和6年1月1日からその相続開始の日までの間の贈与が加算対象となりますので、加算期間が従前の3年より徐々に増えていきます。

そして、令和13年1月1日以降の相続からは完全に7年以内が加算されることとなります。(下記URLより図がご覧いただけます)

https://www.azuretax.jp/library/5714af48f88093e32331e44e/6462020241636044123470ed.pdf 税理士法人アズールHP税制改正について 

(2)加算される財産の価額の見直し

 今回の改正により延長された期間(相続開始前3年超7年以内)に贈与を受けた財産の価額については、事務負担軽減の観点から総額100万円までは相続税の課税価格に加算されないこととされました。

(3)加算対象者は変更なし

今回の改正では加算対象者についての改正はありません。加算対象者は、従前どおり相続又は遺贈により財産を取得した者となりますので、相続人でない孫への贈与は相続直前の贈与であっても加算されることはありません。

 これまで、暦年課税を使った計画的な贈与は、相続税対策の王道とされてきました。今回の改正の影響で、従前通りの効果は望めなくなったものの、長生きすることができれば、依然として節税になるといえます。今年は改正前のラストチャンスとも言われていますので、年末までに贈与を考えてみてはいかがでしょうか。

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#109 数次相続に係る相続税の取扱い

数次相続(すうじそうぞく)とは、被相続人が死亡した後、遺産分割協議前に相続人の1人が死亡し、次の相続が開始された状況、つまり2回以上の相続が立て続けに発生している場合をいいます。

例えば、父親が亡くなってその遺産分割協議を行う前に、父親の財産を相続するはずだった母親も亡くなってしまったような場合です。

数次相続と似ているものに、代襲相続があります。代襲相続は先に亡くなっていた相続人の相続権をその子供が引き継ぐものです。数次相続も、亡くなった相続人の相続権を他の人が承継するという点ではよく似ていますが、異なる点もあります。

例えば、父A、子B、孫C(Bの子)がいたとします。Aが死亡(一次相続)し、亡Aの相続手続き中、Aよりも「後」にBが死亡(二次相続)した場合、亡Aの相続手続きは亡Bの相続人である孫Cが行うことになります。このケースは数次相続です。

これに対して、Aが死亡する「前」にBが死亡しており、その後にAが死亡した時、亡Bに代わってCAの相続人となるのが代襲相続です。

つまり、父A、子B、孫Cがいたとき、中間者であるBがAよりも「後」に死亡した時は数次相続、Aよりも「前」に死亡した時は代襲相続となります。

 

もうひとつ似ているものに相次相続があります。相次相続とは、一次相続の発生から10年以内に二次相続が発生することで、立て続けに相続が発生している状況は同じですが、数次相続との違いは、一次相続の手続きが完了しているかどうか、という点にあります。

相次相続が発生すると、短い期間に同じ財産に対して相続税が2回課税されてしまいます。そのため、相次相続が発生した場合には、相続税の負担を軽減するために納付すべき相続税から一定額を差し引くことができる相次相続控除という制度が設けられています。

相次相続控除は数次相続でも適用することが可能であり、上の事例では、子Bの相続税の申告において、子Bが父Aの相続で納付すべき相続税の一部または全部を差し引くことができます。

ただし相次相続控除は、被相続人が相続税を支払っていることが前提となりますので、一次相続で二次相続の被相続人が相続税を支払っていない場合、相次相続控除の適用はありません。

 

数次相続の場合の遺産分割協議では、複数の相続を一通の分割協議書にまとめる方法と一次相続と二次相続で別々にする方法があります。通常は、混乱を避けるため別々の分割協議書を作成します。遺産分割協議書には相続人全員の署名・捺印が必要ですが、数次相続の場合は相続人の1人がすでに亡くなっているため、署名・捺印をもらう事ことができません。

そのため、相続人欄には「相続人兼被相続人」と記載して、署名・捺印欄にはすでに亡くなっている相続人の配偶者や子が「相続人兼被相続人の相続人」として署名・捺印を行います。

相続税法上、申告義務のある者がその申告書を提出しないで亡くなった場合には、その相続人が申告・納税義務を承継することとされています。

上の事例の場合で言えば、子Bが父Aの相続について相続税申告をすべきなのであれば、孫Cが子Bの義務を承継し、申告・納税する必要があります。

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#108 不動産の売買契約中に相続があった場合

土地や建物を売却しようと契約を締結していたが、その引渡しが完了する前に売主又は買主が亡くなってしまった場合、その契約中の土地又は建物に係る相続税の課税関係はどのようになるのでしょうか。

 土地等又は建物等の売買契約の締結後、その土地等又は建物等の売主から買主への引渡しの日前に売主又は買主に相続が開始した場合には、相続税の課税上、その売主又は買主たる被相続人の相続人その他の者が、その売買契約に関し被相続人から相続又は遺贈(死因贈与を含みます。)により取得した財産及び被相続人から承継した債務は、それぞれ次のとおりとなります。

 ◆売買契約中に売主に相続が開始した場合

相続又は遺贈により取得した財産は、その売買契約に基づく相続開始時における残代金請求権(未収入金)となります。

残代金請求権(未収入金)の評価は、財産評価基本通達204に定める貸付金債権の評価により評価することとなります。

 ◆売買契約中に買主に相続が開始した場合

相続又は遺贈により取得した財産は、その売買契約に係る土地等又は建物等の引渡請求権等となり、被相続人から承継した債務は、相続開始時における残代金支払債務となります。

引渡請求権等の価額は、原則としてその売買契約に基づく土地等又は建物等の取得価額の金額によりますが、売買契約の日から相続開始の日までの期間が通常の売買の例に比較して長期間であるなどその取得価額の金額が相続開始の日における土地等又は建物等の引渡請求権等の価額として適当でない場合には、相続開始の日における状況に基づき別途個別に評価した価額によります。

なお、買主に相続が開始した場合において、土地等又は建物等を相続財産とする申告をしても差し支えありませんが、この場合における土地等又は建物等の価額は、財産評価基本通達により評価した価額によることとなります。

 

出典:国税庁 質疑応答事例

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/02/12.htm 

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相続税について

民法

#99 自筆証書遺言書保管制度について~あなたの大切な遺言書を法務局が守ってくれます~
#95 生命保険金は遺留分の対象に含まれるのか?
#92 成年後見人制度
#90 成年年齢引き下げと遺産分割協議への影響
#82 相続登記の義務化
#79 認知症の方がいる場合の相続における対応策
#72 法定相続情報証明制度
#71 法務局における自筆証書遺言書保管制度について
#67 分割協議のやり直しはできるのか?
#55 成年後見人「親族が望ましい」と最高裁
#51 改正相続法(民法)の適用関係
#44 民法改正と税金
#13 相続の承認・放棄
#7 遺言によってできること
#4 法定相続人と法定相続分
#1 相続人の範囲と順位

信託

相続人の範囲

相続財産の範囲・計算方法

#107 マンションの相続税評価額見直し2
#106 マンションの相続税評価額見直し
#98 続・相続税と贈与税の一体化
#97 老人ホームに入居していた場合の小規模宅地等の特例
#96 暗号資産(仮想通貨)と相続税
#94 外貨建て資産の評価
#86 デジタル遺産と相続
#85 未支給年金に係る相続税の課税関係
#84 住宅ローンの団体信用生命保険
#80 小規模宅地等の特例~貸付事業用宅地
#73 特定の一般社団法人等に対する相続税の課税
#70 災害で被害を受けた場合の相続税の特例について
#69 生命保険契約に関する権利の申告漏れに注意
#63 2022年生産緑地問題~その日が来る前に考えておきたいこと~
#60 地積規模の大きな宅地の評価(2)-面積要件に注意-
#59 マイナス相続でも相続税がかかる場合
#56 地積規模の大きな宅地の評価
#50 預貯金債権の仮払い制度
#49 相続税の連帯納付義務とは
#47 災害を受けた場合の相続税・贈与税の取扱い
#43 相続を放棄した者が受け取った生命保険金には相続税はかかるか
#36 相続税における障害者に対する制度
#29 相続した財産を譲渡した場合
#28 取引相場のない株式の評価の見直し
#26 孫が受取人の死亡保険金
#25 寄与分を取得した相続人に対する課税
#24 配偶者に対する相続税の軽減
#23 相続人以外の者が財産を取得した場合
#22 みなし相続財産~生命保険~
#21 相続人の中に成年被後見人がいる場合
#20 相続人の中に未成年者がいる場合~Part2
#19 退職金と弔慰金
#18 相続人の中に未成年者がいる場合
#16 相続時精算課税
#15 相続税の税額控除
#14 相続開始前3年以内に贈与を受けた財産
#13 相続の承認・放棄
#12 短期間に重ねて相続があった場合
#10 相続税の加算
#9 相続財産から控除できる債務
#7 遺言によってできること
#6 相続税がかかる財産の範囲
#3 相続税の基礎控除額
#2 名義預金にご用心

相続税がかからない財産

相続税の申告期限・納税

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贈与税について

#105 相続時精算課税適用の有無に注意
#102 相続時精算課税制度の見直し
#98 続・相続税と贈与税の一体化
#89 成年年齢引き下げに伴う相続税・贈与税への影響
#88 令和4年度税制改正による相続税・贈与税の影響
#87 相続税と贈与税の一体化
#83 相続税・贈与税の一体化!?
#81 コロナ禍における住宅取得資金贈与の非課税について
#76 路線価補正と贈与税申告
#75 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直しについて
#62 年末に向けた贈与の検討
#61 消費税率引上げに伴う住宅取得資金贈与の非課税枠の拡大
#58 「教育資金の一括贈与非課税措置」、「結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置」の見直し
#53 贈与税の住宅取得等資金の特例を受けた場合の注意点
#47 災害を受けた場合の相続税・贈与税の取扱い
#46 贈与と資産運用
#42 結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合
#41 贈与税の配偶者控除と生前贈与加算
#40 教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
#38 負担付贈与をした場合の課税はどうなるのか
#37 贈与税のかからない財産とは
#35 贈与税の配偶者控除
#34 住宅取得等資金の贈与
#16 相続時精算課税
#14 相続開始前3年以内に贈与を受けた財産

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