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平成18年10月1日創刊
第 146 号
平成30年11月1日

「所有者不明土地」の解消へ向けた免税措置~面積、九州を上回る~

相続した不動産の登録免許税が免除される制度が期限付きで始まっています。この背景には、所有者不明土地問題があります。

  1. 所有者不明土地問題とは
    所有者不明土地とは、「不動産登記簿等の所有者台帳により、所有者がただちに判明しない、または、判明しても所有者に連絡がつかない土地」をいいます。
    国民の所有権は強く守られており、たとえ、被災地の復興のための事業であっても、所有者の同意がない限り買い取ることはもちろん、借りることすらできません。このため、所有者不明土地は、災害の復興を妨げたり、農地や山林が荒廃するなどの問題をもたらしています。
    国土交通省によると、登記簿上で所有者が確認できる土地は調査対象地の8割です。増田寛也元総務相が座長を務める研究会は「九州の面積より広い410万ヘクタールが所有者不明の状態で、2040 年には720万ヘクタールと北海道の面積に近づく」としています。
  2. 登録免許税の減免措置について
    この所有者不明土地問題が生ずる原因として、相続後の登記がなされないまま、放置されていることがあげられます。この問題を解決するためには、まずは相続登記を促進する必要があります。しかも、数代にわたって登記されずに放置されている土地については、時間が経てば経つほど状況は悪化してしまいます。
    そこで、平成30年度の税制改正により、本来であれば、相続による所有権の不動産登記は、不動産の固定資産税評価額の0.4%の税率の登録免許税がかかるところ、平成33年(2021年)3月31日までの間において次の2つの免税措置が設けられました。
    ① 相続により土地の所有権を取得した個人が、その相続によりその土地の所有権の移転登記を受ける前に死亡した場合、その者の相続人等がその死亡した者を登記名義人とするために行う所有権の移転登記について、登録免許税が課されないこととされました。
    ② 市街化区域外の土地で、市町村の行政目的のため相続登記の促進を図る必要があるとして法務大臣が指定した土地で、かつ、その土地の登録免許税の課税標準となる不動産の価額が10万円以下であるときは、その土地の相続による所有権の移転登記については、登録免許税を課さないこととされました。

現在、法務省では相続登記の義務化や土地所有権を放棄する制度を検討しています。

さらに詳しく知りたい方は担当CFP武友正哉までご連絡ください。
(このFPの窓はCFPの武友正哉、安藤仁江、長谷川裕美が毎月交代で執筆いたします)

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